後悔無用!
おるふぇ

欠落を隠すのは、詩人に非ず
じっとしているそこのあなたよ、
ひとしきり震えた後、その後悔を夜の海に葬り去れ

去れ!
月明かりの美しい夜に、深い幻を作り出せ
流れはじめた後悔は、どこへ流れるか知らない
座礁して、沈没するかもしれない
それでもいい!
あの後悔はもう、無要!

高踏派詩人の脈々たる系譜に、淡い敬意を抱き
彼は、書き続けました
欠落を隠すのは、詩人に非ず
泣く代わりに詩を書き
死の代わりに詩を描き
彼は詩人でした
彼は詩人でした

彼は生きていました
ええ、
そして確かにここに
今も生きています!

詩神なる存在が
もし真実ならば
彼は、その元へ
逝けたでしょうか

彼は人間として
どうしようもなかったけれど
詩人として
実直且つ真摯に生きました
欠落が、
運命を避けたとしても!
完璧なるものの価値など
彼には、
無意味だった!

失念の山と
絶望の谷が
どれほど彼を
輝かせたことか!

彼に後悔はなかった!


自由詩 後悔無用! Copyright おるふぇ 2007-06-19 18:24:53
notebook Home 戻る