波間に
朔耶

静かな風の吹く中
揺れる想いは遠く渡り
遥か彼方
白い翼 悠々とはためかせて
消えていった

すべてを投げ捨てた
勇気がなかったんだ
持ち続けることなんて
辛いだけだと うそぶいた自分

波が打ち寄せ
記憶をさらう
砂浜に足跡をつけながら
少しだけ泣いた

夢のような日々が 波の色に染まっていく
誰も気付かず
通り過ぎたあの日
今はもう 海の青に包まれて

押し殺した涙が 青い波に溶けるまで
歩みを止めたりしないから
どうか 風よ
どこまでも 吹き抜けて


自由詩 波間に Copyright 朔耶 2007-06-12 04:14:34
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