滅び行くその時に
アマル・シャタカ

世界が滅びて 
ただ一輪そこにある花を
太陽が照らして

空虚な僕は問いかける

すべてが消えて自分だけが残り愛もない世界で
どうして君は咲いているのかと

花は答えた 
あなたがいるからと

僕は言う 
僕は花ではない 
君とは違うのだよと

風に揺れて花が言う 
あなたがいるから


破滅の世界に咲くことになんの意味があるのだ
叫ぶ僕に
壊れた人形が呟いた
あなたがいるからよ

愛もない世界で 
愛する人もいない世界で
ただ一人生きてそれでどうなる
そう嘆く僕に
流した涙が歌う
あなたいるから 
わたしあるのと


花が歌う
あなたがいるから 
わたしがあるのと


滅びた世界が歌う
あなたがいるから 
わたしがあるのと


言葉すら忘れ果てた僕は 
大地とともに心が震え
ただ

泣いていた


自由詩 滅び行くその時に Copyright アマル・シャタカ 2007-06-10 16:04:34
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