海で乾いていく
たりぽん(大理 奔)


餓えているのではなく
影を落とす孤独が
乾いていくということ
砂漠
その影に
息づくものがある
星は照らしているけれど
遠い過去が
輝いているだけで

君が乾くとき
僕は海を想う
満ちみちた波の底に
隠された砂漠
息苦しく
陽は差し込み
笑う、笑う

そして
この満たされた闇の向こうに
君が居るということが
水銀が詰まった肺で
僕の影を濃くして

君が居るということが
海を求め井戸を
素手で掘り続ける
ということ

どこか彼方で
ああ
波の音





自由詩 海で乾いていく Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-06-06 01:06:31
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