YOUR MARK
さくらほ

鎖骨に君がいつまでもいて
消えてゆかない
朝が生まれ変わる度
君がいることを確かめて
私を何枚も脱ぎ捨てても
君はいたずらっこのように
チョコンと鎖骨にいる

白いサマーニットで素肌を包めば
風が服の中で転がりながら
私を海に塗りかえてゆく
君はあわてて隠れるけれど
吐き出される二酸化炭素に
アップアップして
波間から顔を出す

女として生まれ
女としてしか生きられぬ
溺れて腐って朽ちてゆくまで

今日も鎖骨に君がいる
私は夜に引きずり込まれないように
朝日に向かって駅へ急ぐ
君を転がり落とさぬように
バランスをとりながら


自由詩 YOUR MARK Copyright さくらほ 2007-06-05 17:55:49
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君の歌