はしる。
深散

善を取らず
悪すら取らなかった故に

罰を探す
無意識にすることはそれ
いかに己は苦痛を受け入れるか
出来ることならすべての死を傷を
僕が奪うことができたら
それだけを一心に祈れば
いつか道があるだろうか

もう歩くことが出来ない
もう立ち上がることができない
もう意識を保つことはできない
過去?
そんなもの。
そんな余裕はない
今、僕は立ち上がることが出来ない
亡霊のような体と
それでも先走る体
勝手にすればいずれ壊れる
愕然とするほど
きっと容易く

それを本気で追い求めるほどじゃない
それでも、あの日に僕があきらめたものは
そういうものだった
幸せになることを諦める卑劣
多分地球上で最も腐った肉体が
きっとここに転がっている

誰とも目を合わせられない
この穢れた己をさらせない

ダキシメテホシカッタ

生ぬるい願望を甘えにして
でも遠く過ぎ去った
ビル、長い商店街

死んでいく子は
今、どれだけ寒いんだろう
それだけを
抱きしめてあげられたら
もうそれで悔いはないのに

くだらない
有益ゆえに造られたなら
無益ゆえに放り出してはくれまいか

靴のつま先が食い込む軋みと
階段が胸を打つ衝撃と
呼吸がつまる感覚
「これで、今度こそ」
おわれるんじゃないか?

甘い、甘さがこみ上げる

まだ、どれだけ、立ち上がらなくては
いけない?


自由詩 はしる。 Copyright 深散 2007-05-31 08:09:12
notebook Home 戻る  過去 未来