七味とうがらし

ふいに夕立ち、

道を行く人々
急ぎ帰るなり引き返すなり
笑っている。

うなる空

大粒の水玉

白い歯で
目を細め笑い合う自転車の学生
それでもパンツをかばう女学生
缶蹴りの
缶を狙うような
ひさしの下のおっさんはにっこりたばこ

ぼくは
ワイパーがあるから嬉しいはずだけど


雨音が止み

前の車がたばこを投げ捨て、
恐らくそれはじゅっと言って死に

蒸発するアスファルトは臭く、
臭い顔する人々

ぼくたちはそんな顔でした。



自由詩Copyright 七味とうがらし 2007-05-21 09:27:56
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