さくらさくら
まほし

さよならは青い背もたれ始発にて四月の夢を温めにいく



アンニュイな晴間が秘める春雷に片目をとじて君を待つ午後



ないしょです。星くず燃える屋根裏で子猫と愛し合った日々など



ロシアンティーに赤が足らない透明な理由を誰のせいにもしない



指きりのように背を抱き自転車で転がれさくら吹雪のてっぺん



花びらの波にふたりの足あとは消されて蒼いひかりの果てに



限りなく春から遠いみなそこでさくらさくらとしゃぼんをたてて





さくら、こえ、髪にこぼれる 明日はもう隣にいない君があふれる






短歌 さくらさくら Copyright まほし 2007-05-17 22:02:43
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