そらちゃんのそら
まほし

 いい子ねえ、って
 大人からいつも
 あたまをなでられていたから
 ぼくはおおきくなれなかったんだ


と、いって
そらちゃんは笑う


海のみえるブランコが
そらちゃんのなきばしょ
だれかの手が
まるく
まあるく
そらちゃんを
かたどろうとするたび
ボールになってにげてきては
ぽつん、と
ゆれていたんだって

てのひらにはカメラ
ちいさく
ちっちゃく
つつまれた
銀のボディには
ほんとうは
どんなかたちにも
きりとられない、空が
つばさをつぼめて
ねむっているのだろうか


 ねえ、
 そらちゃん

 いっしょに
 とべたらいいのに


ブランコにのった
そらちゃんの
せなかをおしながら
カメラをのぞきこんだら
まばたくレンズにうかぶ
ふたりが、いた







自由詩 そらちゃんのそら Copyright まほし 2007-05-12 08:33:15
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