17歳
あおば

          2000/05/31

17歳の桜の木
満開の花を咲かせる

ほんとにやつら
好きなこと言ってやがる
いったいおれたちの
基本的人権も労働者の権利も
そんなものどこにあるのと
訊ねてみたら
社長の部屋の本棚の
六法全書の中に有る
だから、安心して働きなさい
部長の笑顔に追い出され

俺は花見の場所とりに

若い桜に取り囲まれて
恥かしいたらありゃしない
春の日差しの下は眩しくて
本を読むのもままならぬ
コップ酒でもちびちび飲んで
みんなの来るのを待っている

そんなたわ言は昨日のことで
今日はノートパソコン取りだして
表計算に命を賭ける
少しでも自分の遅れをとりもどし
明日の仕合わせ掴むため

花は桜の例えのとおり
散り際を美しく飾れ
大きな希望と小さな確率
言葉を飾り叫んでる
わたしたち
17歳の心のうちは
この桜には分かるのか
思いきりぶっ叩け
切り倒せ、焼き尽くせ

ほのかな香りの花曇の今
雲にまごう花の頂きに顔覗かせて
優しく笑っているのは君か



自由詩 17歳 Copyright あおば 2007-04-26 00:41:41
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