甘かったサラダ
チグトセ

ワガママなあなたはハナっから
あからさまな逆さまだったから
飾らなかった露わな狭間
また真っ逆さまだ

あなたは若さ、または様々な甘さが
早々、たわわだった

まっさらな朝っぱらから
真っ裸なまま重なった
からから絡まった

まだ頭が働かなかったが
ささやかな肩幅、
柔らかな腹、
なだらかな股、
さらさらな肌は、
触ったら、たまらなかった

たまらなかったから、からかった
あなたが放った荒技は
甚だ、やばかった
だから逆らった
だが、なかなか敵わなかった

真っ裸なまま、戦ったが
半ばなあなあだったから
笑った
ただ腹割ったさやかさがあった
ただ暖かな儚さがあった

真っ裸なまま、だらだら語った
あなたは片仮名が達者だった
マハーバーラタ、やら
ラーマーヤナ、やら
ただまあ
半ばわからなかったが

あなたが立ったまま
まかなった
鮮やかなサラダ
華やかな魚(鯖だった)

サラダはやたら甘かった
魚はやたら辛かった


また新たな朝方、あなたから発った
あなたは固まったまま、黙ったまま
放さなかった
あなたはなかなか泣かなかった
乾かなかった雨傘、さながら。
やや、間があった
さわさわ、朝が鳴った
まっさらな朝が
さわさわ、鳴った


「じゃあ、またな。サラダ、甘かった」。




自由詩 甘かったサラダ Copyright チグトセ 2007-04-13 00:53:07
notebook Home 戻る  過去 未来