魂だけに
山崎 風雅

 いくつもの岐路に立って
 流れる雲の下
 永遠なんてないのだから
 絶え間ないこの血潮の想うまま
 流れているのか流されているのか

 いつもの交差点では
 運の悪さを象徴するように
 赤いランプに行く先を邪魔されるんだ

 遠くに見える街の灯
 佇んで見る人の流れ
 そう遠くないところで
 たくさんのドラマが繰り広げられているはず

 知らない間にレッテルを貼られ
 不自由なこの世界
 子供の日にみた妖精は
 いつの間にか見えなくて
 流す涙も計算されてて
 神様の声から遠く離れてしまった

 ときおり見せるエロティックな仕草に
 この胸にはまだ潤いを欲しがる衝動があるのだと
 旋回して落ちていく真夜中に目を光らせて
 沈んでいくことは恐怖でもあり希望でもあり

 せっかく作った積み木さえ
 心無き者の生贄にされるから
 もう期待することを止めることにするよ
 真摯に生きる意味を探して
 時の流れに浮かんでみせる

 しかし、体って邪魔だなぁ
 自由に飛んでいける魂だけになりたいなぁ




自由詩 魂だけに Copyright 山崎 風雅 2007-04-12 01:55:41
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