地球儀
望月 ゆき

ぼくたちが住む
この星の
実態を知るべく
ならば
地球を割ってみよう、と思いついた

ぼくがやらないにしても
いづれ壊れるみたいだよ
と 
誰かが言ってたし
それなら いいよね

床屋の裏の空き地の
なるぺく 草の生えてないとこに
うつぶせに寝転がって
トンカチで
トン トン トン と
地面を 叩いてみた

が 
地球は そう簡単に割れはしない

それならば


部屋に戻ったぼくは
本棚の上で
ホコリまみれになっている
地球儀を手にして

力いっぱい
トンカチで叩いたら

割れた

地球儀の中は 
空っぽだった
何も ない

なーんだ つまんない

地球だって 
きっと

壊してみたところで
何もないのだろう


何も ないのだよ


自由詩 地球儀 Copyright 望月 ゆき 2004-04-28 19:13:04
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