漂う
深散

天井があった。

体の液体がどんどん吸いだされていくとき
いつも僕は天井を見ている

吸い出されていくときも
流れ出していくときも

足の先が底に着く前に
浮かび上がれるくらいの
海に行きたい

変な意味じゃなく
それは温かかったら良い
それが冷たいならば
脊髄を冒してくれたなら
それはきっと温かい

疲れている
とても、つかれている
重力に重力ではおもすぎる
骨に鉛のむしゃぶりついた肉体
水に浮くとは思えない

浜にあがったくじらは
乾いて火傷して死ぬ前に
肺をつぶして逝くそうだ。

それだけ重いのだ

この水の惑星の
水のない場所は

同じ月
同じ月
欠ける月
満ちた月

白い月
赤い月

透明にとうめいに

遠目にゆるく溶け出して

その、眼球の中身のようなジェリーを

吸い出して飲み込んで吐き出したら

少しは腹が綺麗になるでしょうか。


自由詩 漂う Copyright 深散 2007-03-22 07:06:04
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