偏光病
A道化



不揃いな足音は鳩 鳩 鳩の
何かを象徴して下さることを願った赤い皴の寄る足でした
逸らした塞いだ目に耳に染み付いた 赤の皴 皴 皴に
自らの底面の砂利を明け渡す為ベンチの上面へ足を抱え上げ
拒む術のないほど腫れぼったい首の偏光パウダーにむせ
わたし 呼気と吸気の平衡を手放した鈴でした


無害を妄信することを欲し 例えその害を認めたとしても
その頃にはもう鳩の後頭部にまで広がった偏光は
わたしの存在に付着しておしまいでしょう
空洞へ空洞へ空洞へ間に合わせに得た珠など いかに確かな固体であれど
悲哀に握り締められた鈴には無音無価値なものでしかなく
ああ だから なのですね 随時吐き出してしまうのは



2004.4.19


自由詩 偏光病 Copyright A道化 2004-04-19 21:09:29
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