海から遠い
ソマリ
背にひたい押しあてているどこよりも海から遠い場所のざわめき
「お大事に」はさびしい言葉云いかけてやめた言葉を思う道行き
やや強き風が発ち口噤むとき岬のようだホームの端は
ゆっくりとバスは動いて壊れ物をそっと運んで見えなくなった
とわに名を告げあうことのない人といたわるように目を逸らしあう
指きりをしにゆきました戻らない姉の自転車さりさり漕いで
短歌
海から遠い
Copyright
ソマリ
2007-03-05 00:41:32
縦