木に登る
七味とうがらし

午後1時がかたどる窓の光線
電子ジャーのふきんに居て
お茶の湯気
キラキラとたちのぼり
しゃべりまくる徹子
テレビの中で2時を待つ

宇宙の果てのむこう側
むこう側にも果てがあり
そのむこう側があるとして
ひどく悩んでいたことを思いにふけつつ
それを孤独とネリリした詩人のそれにふれ
そおいった大人のそれにふれ

背の低い母は子供のように
高い所のそれは取れない

大人にならないと
してはならないことに
ひどく悩んでいたことを思いにふけつつ 実は今、
公園の木の上にいる午後3時
はたから見られる事を恐れる私
カゲとともにふきんを歩く人々
パンツが見えそうな
罪深き少女について
ひどく悩むことは禁止されている

それよりもまだ
宇宙の果てについて何一つ解決していないのに
大人には木に登る理由が必要なのであって
早く大人になりたかったのに
もう5時になります


自由詩 木に登る Copyright 七味とうがらし 2007-02-22 16:58:53
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