絵本「魔法の林でかくれんぼ」
まどろむ海月


(蒼く淋しい春のただなかにいた日々
 たそがれどきの所在なさに
 私は絵本などをつくって
 遊んでいたのでした

  市販の便箋の絵のなかに )
           
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 ほ おーい ほ おーい

 もどっておいで

 遠い あこがれ

 忘れてしまった 約束




絵本「魔法の林でかくれんぼ」





 もういいよ

 その言葉を待ち続けて

 待ち続けて…

 どうやら僕は

 おじいさんに なってしまったようだ



 きみの声 どんなだか

 忘れてしまったのに

 こうして 目を閉じていれば

 きみの ほほえみ は

 あのときのまま

 僕の心も

 あのときのまま





 わるい魔法だ なんて

 うそ だよ

 春の新しい 花の香に

 つつまれていると

 僕には ほんとうに

 よくわかるんだ



 きみの声が 魔法を解くのさ

 僕は あの日のままに

 少年の姿にもどって

 きみを つかまえるだろう



 そうしたら

 こんどは きみのばんだよ



 魔法にかかって

 僕のうでのなかで

 僕とひとつになるんだ















http://www12.plala.or.jp/abon/page021.html


自由詩 絵本「魔法の林でかくれんぼ」 Copyright まどろむ海月 2007-02-06 11:05:38
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