運動

どこにでも入り口があって
どこにでも出口がある
きのう お腹からプール
の水面に落ちていった少年は
生まれる前の夏に
明け方の海岸を低空飛行で飛んでいた

殆ど真っ暗になった庭口では
きゅうにしろい花が咲き乱れはじめ
しどけなく伸びたホースの先を這っている
カタツムリは朝になるといなくなる
音もなくコンピュータの液晶の中で光ってる
水面に漂う色とりどりの魚たち

どこにでも入り口があって どこにでも出口がある
しかし入り口も出口もどこにもない
始まりもそして終わりも
あるのはただただ終わらない運動


自由詩 運動 Copyright  2007-01-26 12:58:33
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