裏表
霜天
潜り抜ける毎日です
ぎりぎりの所で飛び越えて
ときどき足を踏み外す
そんな時間の流れなので
僕らは包帯代わりに
ほんの少しの嘘で武装して
身をかがめて
ぶつからないように歩くのです
そんなふうに
ぎりぎりの所で
乗り継いでいく毎日で
ふとしたはずみに
道を忘れてしまって
仕方なく
コインで右か左かを決めようと
投げ上げて気付くのです
どっちが裏で どっちが表だっけ
どこまでが裏で どこまでが表だっけ
戻ってきたコインは
ずしりと重く
問い掛けるように冷たく
どこまでが 嘘だっけ
自由詩
裏表
Copyright
霜天
2004-04-05 15:52:11