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さびしいおもいをしよう
うそのお皿にふたりですわって
わかりあう
を たべよう
べたべたにして
たべおわったら
ちがうドアから かえるのさ
朝には、
むらさき色の腕がゆめを奪いにやってくる。
走って、だれもが
逃げているとおもってた
湯気のあがるさか道、
ねばっこい草のなか、
うす暗い公園。
みんなからはぐれて、
それ ....
やさしいくまは
なんにも食べずに
やせている
かつてつややかだった毛並みは
ぼうぼうにとがって
やさしいくまは
そのうちひとかたまりの茶色になって
ちょうどきのうの晩ふきあれた強 ....
パレードの音がする
雨なのにね
いってみようか
雨なのに?
雨なのに 乾いている
パレードは
ここからは見えないが
音だけが
さびしく 響いている
じゆうしのお墓まいりは
ひっそり行わなければならない
衣服をすて
思想をすて
言葉をすてて
まる裸で向かわねばならない、
という決まりを捨てられず
あきらめて横になるところに
じゆ ....
きのうのよる
上手いことたたまれて
押入れの奥へしまわれたのが
本心です
だれの
とは
言うまい
それで
足首には
いまどんな紐が巻かれてるんだい?
洋館のカーテンは
お ....
詩人がみんな
ことばが消え去るのをまっている
画家が黒と白の絵の具を混ぜつづけるように
教師たちは生徒を置いて家へ帰る
神父さまは折れた十字架でシャーベットをすくう
詩人はみんな
こと ....
街かどの女たちに
欲しがるだけ黒を与える
得るごとに欲深くなるさまは
日没のようにうつくしかった
さてわたしは
いよいよ壊し始めたこの柵の残骸を
きょうは焼場へ持っていき
そうし ....
星はながいことひかって
ねむるように消えた
わたしたちは棺桶工場のすみにすわって
それをながめていた
とてもとおくながいところを
物語がながれていくのや
歌うたいたちがはじく音符がこぼ ....
ついさっき猫は
まんぼうと腕を組んでそこを曲がっていったよ
わたしはそれまで
とても孤独だったのだ
ひとりで はだしで ふるえて
ひたひたと沈みゆく一日を感じながら
なすすべもなく ....
いいですいいです
と呟きながら
倒れている銀杏の大木
おまえ実るからだでありながら
どうしてこんなにくらいのか
それともひとりで
わからないのか
いいですいいです
いまや叫ぶほ ....
そんなにあかるく
しないでほしい
闇たち
ちいさくなればなるほど
深くなって
もう底がわからない
はやくだれか
つめたくて死んでいる
闇たちの底、底
触ってあげないと
死に続け ....
そうだなあ。壊すなら街が良いね。とくべつ硬いやつ、と、言ったとき、あなたはもうわたしを愛さないと決めていた。美しいは残酷だから、わたしたちは生きていける。もうずいぶん長いこと言葉に身を埋めて、はっ ....
うその家は
嘘でできている
三叉路が三つもある
うその家
みんなはそこで
笑ってもいいし
笑わなくてもいい
キリスト像を切り刻んでも良いし
仏壇で眠ってもいい
あなたには ....
あなたまみれの体を
しみわたる夜に横たえる
行き場のないつぼみが
ひと粒ずつ
ひりひりと開いてしまいます
あなたは夏のひとだった。雨のない笑顔をしてわたしを不安にさせる。長い手足をなめらかに泳がせて、いつもすがすがしく気持ちをかきまわしてくれたのだ。いつぞやのモーテルは名前だけ変えて、その窓の多くに過 ....
0が1を
たべつくして
朝になっても
明るくない
うすく凍りついた水たまりを割ると
世界の底で
あなたがスープみたいに眠っている
夫の恋人はわたしよりすこし背がたかくて聡明な肌をしている
恋人の妻はアイロンがけがうまい それしか知らない
鳩も恋をするんだろうか
箪笥や窓枠も恋をするのかな
わたしの目はどうして
いつ ....
とにかく熊は
とてもつかれて
泳ぎはじめた川の途中で
夢をみることにした
川を渡りきる夢を
熊は
夕やみは
あ と言うまに夜へ伸びて
人びとを愛へ仕向けます
....
夜はごうごう
手足はしろく
わたしを売って
あなたを買おう
頭のないロボットが
あざやかなシュートを放つ
鍛えぬかれた一秒が
光ることなく埋葬された
夜、檸檬は乾いた
ソーダはふにゃふにゃにすきとおって
青ごしに見た君は
僕のかたちにくり抜かれている
夜が
街のかたちに染まるように
いったいどれくらいのなみだが流れたろう
街角 ....
あなたがほんとうに
あなたなら
IDを脱いで
そよそよするビルを三角にして
意味とかを味にして
眠い椅子たちをこうばしく並べて
もしあなたがほんとうにあなたなら
これ以上ないくら ....
鎧に水をためる
緊張して
わたしは
裸足で
後ろ指を
さされても
いいよ、どうぞ
裸で
こわいよ
でも
わたしは
鎧に水をためる
ゆうがた
べったりした体をオーブンにいれる
もうすこしでわたしになれる、というところで
あなたがわたしを齧りとるから
わたしはいつも、
そういうかたちで次の朝を生きるのだ
人びとが輪郭をつけた街とゆうのは
たいていどこかで矛盾していて
ビルのうらがわにまわってみるとよくわかる
ありえない影のおちかたをしている
景気よく噴き上がっては散る水の向こうがわで
....
みんなの寝しずまるのを待って
腕をきるので
みんな寝ない
みんなの起きるのを見はからって
眠りにはいるので
みんな起きない
だんだんできてゆく
柵のそと側へのがれてみると
そこはぐるぐ ....
愛が終わって
空がめくれる
耳のうしろに
白い針を刺すのが流行りだした
光のうしろで
てまねきをして
終らない回転をする蝶蝶
きみは
本をとじて
詩を書きはじめた
百年が 終わり
つめたい百年が来た
つめたい百年が終わると
もっとつめたい百年が来た
もっとつめたい百年が終わると
もっともっとつめたい百年が来て
もっともっとつめたい百年が終わると
....
水でした。
わたしは息をしました。
水の中でした。
水の中でわたしは息をしました。
実際の話です。
あるいは、
想像上のはなしです。
息でした。
はじめに見たものは、無数の ....
ニューヨークでは足の長い東洋人が
いかにもという感じで空気をからめとる
ナイフとフォークで
時計塔には言葉が残された
毎晩零時ちょうどに人々に配信される
泥となって
書物は芸術 ....
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