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硝子の割れる音がした
誰かのこころまで押し入りそうな路線図を
複雑な顔をして見ている
ほっと息を吐いて本を閉じるその仕草が大好きで
マグカップの上の蜃気楼から
図書館まで続く遠い ....
西日が窓枠の影を作っておおげさに見えてくるころ
ひっそりした教室で息を止めていた
均等に並べられた机の一つに腰掛けて
線の薄い魔物と向かい合っている
吹奏楽部のチューニングがだんだん大 ....
群れから飛び出していった記号たちに
生ぬるい視線がからまった
ひとつも理解しないまま頷く作業に戻って
なんとか息を整えた
たぶん
あの博物館には虹を作る機械が展示さ ....
体育座りから解き放たれた我々が目指すものは
給水塔より遥か東に張り付いている
アーモンド型の月なのである
必要のない嘘をつくのである
ついに我々の背丈を追い抜いた言い訳たちに
弁解の場を ....