おなかの小魚はときどき小ちゃな声で鳴くたいせつな奴だ

電子ジャーの独り言を翻訳しながら夜が明ける

痛みっていつも友達だったなこれからもよろしくな

僕の休日は病院に奪われてディスカウン ....
また舞う 雪に
    Sidoro-Modoro
         ふたり とろけ
    ながれる 春 の
           跳ね る 
       日差し は
  音 ノヨウニ ....
吐く息で散り 
舞う 雪の朝に
傷口のファスナーは下ろしたまま
眼差す問いが鷲づかみにした
瞑る心臓 跳ねる魚
口いっぱいに頬張って
ダシテ マタ クリカエシテ
僕は確実にろうそくより青 ....
拝啓、冷蔵庫様

長い間ご苦労さま
十六年間、寝食を共にした
おまえが逝ってしまい
わたしはとても寂しいよ

突然のお別れだった
何だか、冷えが悪いと思っていたら
冷凍食品が自然解凍 ....
アルモノヲナイモノノヨウニ
ナイモノヲアルモノノヨウニ
カタルモノニカタラセズ
カタラナイモノニカタラセヨ

時の澱み
虚無の沼地
透明な不発弾

スイカばかり食べていた記憶の夏
 ....
やわらかい殻にいっぱいの息

わたしは風船だな

見える触れる存在を

地上に繋ぎとめているのは

幼子の手のひらのような柔らかい絆だけ

父の肩車でぽってり眠ると

結んだ力 ....
休みの日
うだうだ家にいる

仕事では夜の首都圏を走る
赤羽 池袋 新宿 渋谷 神田 三田 五反田
駒沢 荻窪 吉祥寺 青梅

池袋や新宿歌舞伎町には
所在なげなあるいは
あきらかに ....
茄子を収穫するときは
少し手前の枝ごと切りなさいと
教わった
少し大きくなったら三本仕立てにするんだよ


久しぶりの晴天で
開け放ったカーテンに蝉がしがみついて
鳴いてる
大声を ....
 




誰かの為に。

これってかなり難しい


友達の為、
家族の為、
恋人の為、
自分の為、

こっちは意外と
できそうなものなのに

いや、まぁ
難し ....
 


メインカルチャーに
迫害されて逃れた先の
サブカルチャーに
首を絞められる

あたしはあたしで
あたしじゃなくて
あなたはあなたで
あなたじゃなくて
あいつはあいつで
 ....
描くことができない白

書くことができない白

語ることができない白

ただ観ることしか許されない白

白と呼ばれることすら拒絶する

月の光の指先

月の光の吐息

 ....
君がいて僕は完成形 この夜の向こう

蒼白い悲しみに凪いだ街から

漂着した片言に縁どられ

幽かに像をなす空白

難破した夢

偽りという救命胴衣を着けずに

真実という黄金を抱いたまま

 ....
この季節の雨音は、近づく春の足音です。

街の影に隠れていた雪うさぎたちも

一斉に次の冬へと旅立って行くと

“また来るわぁ。”と

駆け足の2月もすれ違いざまにささやい ....
 日々を無駄に過ごすなって
 お袋によく言われたっけ
 汚れたエプロンを
 鎧みたいにまとって
 布団たたきを握りしめ
 水仕事に荒れた両手を 腰に当てて

 にらんでいたお袋

  ....
(不器用であることは、罪ではありません)


林檎の皮をどれだけ長くむけるだろうかと
無邪気にはしゃいでいる間に
途切れてしまった命はいくつ
あの赤い肌をすべっていったことでしょう
 ....
私は言葉を知らない
豊富な知識も 深い洞察力もない
柔らかな感性も持ってはいない

比喩や隠喩も使いこなせないし
哲学的なことはチンプンカン
コメント書いてもトンチンカン

こんな私に ....
人は
たくさんの事柄を
忘れながら
生きています

朝起きてみれば
隣の空き地は
白く覆われて
ただひとつの足跡もない
とてつもなくやわらかい
真新しい道に思われました

その ....
ぶつからないように
ぶつかって


絡まないように
絡ませてしまう


濁らないように
やっぱり濁りの中に浸かり込んだ


傷つかないように
傷つき泣いて
傷つけないよ ....
四角い団地が建ち並ぶ
その中には四角いドアが並んでいて
ドアの向こうには四角い部屋が連なっているのだが
暮らしているのは どこか
丸みを帯びた人間だ

四角い暮らしに疲れてくると
 人は ....
1月も終わりのとある平日。

かわいらしい小さなカフェに集う人々があった。



カフェに置いてある品々は、その多くが手作りのようで

ペンキ塗りの壁には、楽しげな手書きのイラスト、絵 ....
【 Window 】

ブラインドを上げて
窓を大きく開けた
そこから新鮮な空気が流れ込んでくる

青い空 鳥の囀り 風の音
明るい陽の光 そこに希望があった
掌を伸ばせば届きそうな楽 ....
誰かが
だましているんだなと思う
ぽかぽかとして
冬なのにこんなにあたたかい日は

だから
あたしは
まーだだよと言う
あわてて
かえるが起きてこないように

誰かに
だまされ ....
なくならない
昨日のむなしさも
紅すぎる夕日の色も
いつかみた映画の感動も
ありがとうっていわれてドキドキした鼓動も
失恋ノナミダも
やさしくしてもらったことも

あのときこうしてれば ....
冬は突き放すような抱擁
軽くドレスの裾を振るだけで
白い吹雪が真昼を閉じ込める
冬は火傷するほど冷たいキス
サイドミラーの氷を指先で落とすと
風の中 君の声が聞こえてきた

子どものころ ....
己が一番美しい時に
化粧を覚えた少女は
素の顔を誰にも見せぬまま
女となり
老女となり
やがて
横たわる冷たい屍となる

その顔に
再び恭しく施される
化の粧

唇に置かれた紅 ....
誰かが誰かを求めて

世界は狂っていく

拒絶する手こそ美しい

言葉を発語しない唇こそ美しい

沈黙している君こそ美しい

もし君が黙っていないなら

僕はキスできないではな ....
指先に残る感触
現実感以上の幻想感
痺れるような弛緩が止まない直後


人差し指と親指が反射した
いや、決断した
正義という大義の下で
防衛という前提の下で   なされた

 ....
ただ、それだけのことだけど。





朝、目が覚めた。

ただ、それだけのことだけど、





お腹がすいて、ご飯を食べた。

ただ、それだけのことだけど、 ....
ある女性から振られて
運気が下がった。
身から出た錆だった。
必死にあがいたが
ダメだった。

前世からの因縁で
地獄行きが決定した。
もう夢も希望もない。
仕事もその内首になる。
 ....
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