すべてのおすすめ
あの子のまばたき夜をひきずり下して
星だらけになったコンクリートをけ飛ばしていったんだ裸足で
夢をかかえて
ロールしてロールするそのあいだに目があったら
どんな星もかなわないくらい大きなブラッ ....
名まえのもとに咲く花があるだろうか ことばからはじまる思想があるだろうか
槐、槐 蜂は最初からしっていた こぼれる密の甘さを
槐、アカシア 隣り合っても争わず
咲く白と黄色の狭間に立ってみれば ....
みあげるとさかさまのさかなたちが
季節をひらべったく塗りたくっている
きみの手はつめたい
永遠になんども触れたよう
わずかずつの永遠をつみかさねて
一瞬へむかう魚たちのよう
ひとの手でひらかれてなお閉じている 体から出る術を知らない
吊るされたカーテン わたしはここにいて光の落とす影を見ている
予想よりも早い、5984625465回目で
男はガラスをすり抜けることが出来た
彼は喜びにふるえ咆哮したが
すでに彼の妻も子も親も友も存在しなかった
彼自身の声も拳も涙も
すでに存在しは ....
どちらが先かはわからない
あなたの手のひらにおさまるようなかたちだったか
あなたの手のひらのかたちにくぼんでいったのか
どちらが先かはわからない
どちらにせよあなたの手のひらのかた ....
あまいパンはやわらかい
やわらかい朝は白く
白い夜は夜
いつものように
ばかな嘘を見破って
空へ穴をあけてください
空へ穴をあけて
飛べなかった鳥が
最後の一羽まで
逃げ ....
からだを波のようになびかせて
白いあわだちをむかえる
いくつもの永遠が閉じこめられる
かつて少女だったすべての女性たち
かなしみを取り込んだなめらかな体に
くちづけをするとき
....
今年がはじまった瞬間には夫の寝顔をみていた。ちょうどその一年前とおなじだ。
消音にしているテレビのなかでは2012年がひっくりかえってあふれていた。
師走にはいつもよりいろいろのひとと ....
いいよ
わからないでいてあげる
まつ毛の角度や
飲み干されなかったコーヒー
長いまま燃えつきる煙草
いつもと違う靴
あたらしいゲーム
みたいに
わからないでいてあげるよ
....
ふわふわとか
たっぷりとか
ふざけるな
切実さが足りない
相応しさとか
ぬくもりとか
真実とか
いい加減にしてくれ
せつないんだよ
コンビニエンスストアの
陳列棚に
....
どこから説明すればいいだろう
寒い
風邪薬だ
酒瓶
すべての現象は冬らしくくっきりと
くっきりとしていてむしろ象徴に
ごらんよビルを
突き立っている
ごらんよ空を
磨かれてい ....
大きな窓のしたで
セックスをしましょう
往来へでて
人殺しをしましょうか
それとも
花壇に種をまきましょうか
笛を吹きましょうか
肉を焼きましょうか
もうすこしここにいましょう ....
旅のおわりをかんじていた
あなたと
向かい合っていたら
一対のカップと湯気のむこう
あるいはガラス窓のすぐあちら側の世界
あなたの考えていることが
いちどでもわかったなら
....
きょうは街が
青く繁っている
角じゅうに発生する
感情を食べているので
三時になったら
たばこ屋の角を曲がる
ひとつの体を
なんとか動かそう
雨がふっても
きっと曲がろう
....
夜
すべるような肌のうえで
銀色はしずかに鳴り
あなたの呼吸とおなじ間隔でふるえながら
ありもしない幸福に
触れることさえできる
朝
目を覚ますまえに君は
降りつもった時間を
....
磨いた床に
シンナーをこぼして
ここには
奇跡があふれかえっている
乾いた緑と肌
鏡を抱いたままの昨日
誰かを愛していた
ということはつねに
それが終わってからわかる
泣きやんで ....
火のない部屋のなかに
あなたをさがしている
茶色く終わった時間がころがっている
あの日
海には
六羽の白いからすが
まるく座っていたそうだ
傷口は凍るので
わたしたちはまだ ....