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　トキエは泣いている。薄暗い納戸の奥の、
紅い鏡掛を開いた鏡台の前に座り、泣きなが
ら化粧をしている。「おかあちゃん」幼い私
はトキエに纏わり付いて、その名を呼び続け
ている。戸外から蜜柑　.... 海藻の匂いが漂い
干し蛸がぶら下がる漁村の道を
おとめは　エシエシ笑いながら歩く
焦げ茶色に焼けたうなじを
苦い潮風が打つ
塩をまぶしたような髪をほつらせ
おとめは　よだれを拭きながら　....

多紀さんの壮佑さんおすすめリスト（2）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
記憶	- 壮佑	自由詩	25*	13-5-23
おとめ	- 壮佑	自由詩	14*	13-5-17

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