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 美を描くノートは未だ白く、
 夜と朝の狭間でゆらゆらと揺れている。
 美の中に優しさを忍ばせて、じっと待つひと時。
 窓から望む街路灯が不規則に消えてゆく。

 淡い夢のような微睡が訪 ....
 
 森の小径でだれかの影法師が泣いている。
 よそゆきの仮面を外し、裸の心が揺れている。
 曝け出す事を善しとするならば、
 私たちはだれにどこまで曝け出せば良いのだろう?

 露台の椅 ....
 何気ないひとときがとても大切に思える朝。
 光はまだ淡くカーテン越しに差し込んでくる。
 今を生きている事に幸せを感じ、与え、受け取る。
 闇夜の呪いがゆったり溶けてゆくようだ。

  ....
 黒い手鏡にお前はお前の影を映し
 真夜中に発汗する。
 ぬめりを帯びた白い肌はうっすら染まり
 不安の糸をその指先に絡めた。

 不協和音の営みがその役割を終えても
 残された不安は ....
 季節という音楽を君が奏でるのを聴いた。
 透明な旋律は白銀の街には鮮烈だ。
 音楽は創造され、どよめきの中の瞳を凝視する。
 真昼の動揺を隠せない人々はそのまま夜になだれ込む。

 夜 ....
それぞれの屋根は真昼の太陽に辟易し白々と病んでいる。
こんな日は思い切って外に出てアカシヤの路でも歩いてみたい。
しかし結局我が倦怠がある魅力を持って私に寄り添い、テラスに出て庭の草花を
見 ....
立ち上る陽炎の道には郷愁を誘うものがある。
ある者はそれに故郷を想い、ある者は自己の魂の遍歴を見る。
忌まわしい出来事は時の彼方に去ったのだ。
ただ眼前に横たわる幻想に今ここに在る為の心の拠 ....
あなたはあなたのとっておきの古ぼけたカメラを手に取り、
にやにやしながらその背中を開けて一本のフイルムを装填する。
あなたの細く美しいその指で、とてもやさしく、繊細に。
私は暖かい暖炉の前で ....
朝霧が幻想的な雰囲気をもたらすこの森で私はあなたと会おう。
この森の閑寂さをもって、心を平静に保ち、私はあなたを迎えよう。
その切り株は木陰にあるけれど、柔らかい朝陽が差し込む特等席だからあな ....
日差しの強すぎる午後、私は貴方を想う。
道端に投影される光線に強い生命力を感じて。
貴方のその強靭な生への意志は、私の活力となり、
未来へと続く豊潤な果実を実らせる。

先人の放った言葉 ....
真夜中に石畳の狭い路地を歩く。
すべての家々の窓は閉め切られ、孤独のうちに
私は己の半身と夜を語る。
時の歩みはいまだ遅い。

真夜中に浸る欲望を持つ者の頭はたえず動いている。
昼間の ....
やまびこの遠く澄み渡るを聴く。この連嶺の偉大さよ。
夏にいまだ白く残る雪を携えて、今、この世界に君臨する。
比類なき荘厳。重厚な交響楽。
私はただその頂にて感嘆し、言葉を失う。

母なる ....
小高い丘に立ち、眼前の大海原を見つめる二頭の馬。
風になびくたてがみで呼吸しつつ、何故お前らはそれほどに発汗する。
水平線が地球のほんの一部を露呈してはいるが、
それさえお前らの足元を脅かし ....
闇の帝王がその音色を奏でると、聴衆の動きがはたと止まる。
このトランペットの音は全ての世界を超越していたのだ。
そこに新たな魔王が音色を重ねた時、聴衆はもうその場から逃れる事すら困難だ。
夜 ....
 それぞれの理想の楽園で、ただよう魂を見よ。


  君たちにも見えるだろう。
  笑っているのに目にはたくさんの涙を浮かべているんだ。
  なぜって、それはわからないよ。
  わから ....
今宵の月は魔物。
天空の漆黒はその臓腑を抉られうっすらと白い血を流す。
私は憤然としてそいつに立ち向かおうとするのだが
姿すら現さないなんて卑怯ではないか。

今宵の月は魔物。
愛すべ ....
HALさんのヒヤシンスさんおすすめリスト(16)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
欲望~詩作- ヒヤシン ...自由詩5*18-6-9
クラリネット- ヒヤシン ...自由詩9*18-6-2
朝に想う- ヒヤシン ...自由詩11*17-3-4
夜に沈む- ヒヤシン ...自由詩4*17-3-4
冬の街- ヒヤシン ...自由詩7*16-11-27
真昼の気晴らし- ヒヤシン ...自由詩9*13-8-21
陽炎の道に立ちて。- ヒヤシン ...自由詩5*13-8-21
朝方の嫉妬- ヒヤシン ...自由詩7*13-7-11
森の精霊- ヒヤシン ...自由詩4*13-7-11
限りなき夏- ヒヤシン ...自由詩6*13-7-11
真夜中の放浪- ヒヤシン ...自由詩13*13-7-8
新たな道標- ヒヤシン ...自由詩7*13-7-4
現代詩とは?- ヒヤシン ...自由詩7*13-7-2
Kind_Of_Blue- ヒヤシン ...自由詩8*13-6-18
一人娘と。- ヒヤシン ...自由詩4*13-6-17
罪業- ヒヤシン ...自由詩6*13-6-9

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