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      家に帰り寄り添うように暖をとる
      鳩たちをベランダから追い払う
              
      スーパーで半額と札の貼られた
      フライ ....
        流れ星をみつけては
        「る」とちいさく声にする
        さむさにふるえ
        さいごの一文字ばかり
        くりかえし、 ....
スーパーに並ぶ玉ねぎは
じつは人の魂です
皮をむくたびによぎるものあり
涙がとめどなく流れます
玉ねぎを最後まで
むいてはいけません
むいたらそこで、おしまいです




 ....
白い朝が冬の到来を告げた
水やりに素足でベランダに立てば
コンクリートの冷たさが
足の裏からはい上がり
からだのぬくもりをしらしめる
ベランダにつくった小さな庭
たくさんの命の ....
    サンダルを履いた踵は
    うっすらと紅く
    右手のビニール袋からは
    ネギの緑がとびだしている
    歩くたびにガサゴソと
    にぎやかなさびしげな
     ....
      


         あかるいあかるい夜でした
         そっとまぶたを閉じて横たわり
         窓から手をさしのべる
         やさしいやさしい ....
            こんな日がくることを
            いつから知っていたのだろう
            告げねばならない
            それがわたしの役目 ....
            気をつけたまえ
            背中を向けて
            眠るとき
            寝首をかくかも
            しれ ....
             きみに桃缶をささげよう
             からっぽの胃にそれは
             やさしくおさまるだろう
             あまい汁は熱 ....
             そのときがきたら
             「やぁ、おそかったね」と
             にっこりわらって
             かみさまと握手をしよ ....
               きゅうりに背骨は
               ないけれど
               きみの背骨は
               きゅうりの味が ....
             

             毛布の中で
             顔をうずめた 
             
             汗と熱のこもっ ....
               降らずの空は高すぎて
               手を伸ばしても届かない
               花曇りの憂鬱ならば
              ....
      さくらの花びらにあなた宛ての
      手紙を書きました
      そろそろ、そちらにつく頃でしょう
      花びらが散りましたら
      したためた詮無き ....
                拳のなかで
                石は砕けて粉と散る
                返す言葉はどこにもなくて
           ....
               せつなさと呼ぶにはうす汚れ
               虚しさと呼ぶには大げさすぎる
               そんなありふれた感情は            ....
            細胞のひとつひとつが
            ふつふつと沸騰しはじめ
            身体ぜんたいが熱を帯びる

            生きている ....
         枕だきお嫁にしてと寝言ちる
         はだけた足を夜風が舐めた












 
               白いハンカチを
               一枚買いました
               うすいうすいハンカチで
             ....
              死んでしまいたい夜に
              みそ汁をつくる
              干からびた大根のしっぽを
              短冊に ....
             あの豆腐屋の
             角をまがったら
             朝がくる
             豆腐屋の朝は早く
            ....
       湯上りの
       乳房に手をあて
       ため息ひとつ
       気がつけば
       しんなり弛み
       さち薄し
       あのひとの
 ....
             ねむれぬ夜に枕抱き
             布団のなかで寝乱れる
             寝巻きの裳裾はだけては
             さむいさむい ....
           十六夜の月の下、夜の庭に釣り糸をさげ
           きみと並んで話をしよう
           安い焼酎をいつものように飲みながら
            ....
            うず巻くきもち重くなり
            短く髪を切りました
            あなたに背を向け隠しても
            うなじがおもい語ります
  ....
               春を恋うように
               遠いあなたをおもうのです
               眠れぬ夜の午前三時
               あたたかな布 ....
              

              それは雲ひとつない空でした
              たかくたかく透きとおり
              どこまでも見わたせるよう ....
              夜空にグラスかかげれば
              茄子紺のよる揺らいでる
              氷の隙間で三日月泳ぎ
              する ....
           朝のニュースより


             今朝方未明、すずめの涙に溺れたとみられる
             中年の女性が遺体で発見されました。
       ....
 

           静まり返った昼下がり
           猫は店先の陽だまりで
           金魚は薄くらがりの水槽で
           うたた寝をする

   ....
そらの珊瑚さんの石田とわさんおすすめリスト(125)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鳩と半額セールとクリスマス- 石田とわ自由詩7*12-12-24
るの想い- 石田とわ自由詩10*12-12-15
玉ねぎほどの魂- 石田とわ自由詩8*12-11-15
寒風にさらされて春を待つ- 石田とわ自由詩6*12-11-5
薄紅いに染まりし夕暮れ- 石田とわ自由詩6*12-11-2
くるまれて- 石田とわ自由詩10*12-5-7
ピクニックへ行くように- 石田とわ自由詩11*12-5-2
背中枕- 石田とわ自由詩11*12-4-26
桃缶と祈りの夜に- 石田とわ自由詩8*12-4-23
やくそくの日- 石田とわ自由詩6*12-4-20
きゅうりと背骨- 石田とわ自由詩12*12-4-17
背骨と小犬- 石田とわ自由詩8*12-4-16
憂鬱を土に還し- 石田とわ自由詩6*12-4-10
てがみ- 石田とわ自由詩8*12-3-20
言葉と祈りと拳のなかで- 石田とわ自由詩12*12-2-25
ありふれ- 石田とわ自由詩10*12-2-9
ささやく細胞- 石田とわ自由詩8*12-2-7
枕抱く- 石田とわ短歌4*12-2-7
白きハンカチ- 石田とわ自由詩7*12-2-3
大根が泳いだら- 石田とわ自由詩8*12-1-28
豆腐屋で朝をみる- 石田とわ自由詩12*12-1-25
乳房- 石田とわ自由詩3*12-1-23
ひとり寝慕情- 石田とわ自由詩7*12-1-23
十六夜の庭- 石田とわ自由詩5*12-1-20
うなじのおもい- 石田とわ自由詩8*12-1-17
春に恋う- 石田とわ自由詩4*12-1-16
空の岸辺- 石田とわ自由詩4*12-1-13
月逃げて- 石田とわ自由詩8*12-1-12
すずめの涙- 石田とわ自由詩7+*12-1-11
猫と金魚はうたた寝をする- 石田とわ自由詩6*12-1-10

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