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冷んやりした部屋の
窓際に椅子を置いて座る

裸電球に照らされた
オレンジ色の壁に
魚の形の滲みが付いている

じっと見つめていると
風が梢を揺らす音に混じって
足音が聴こえてき ....
街のあらゆる隙間から
浸み出てくる泥に追われて

JR駅構内の暗がりの
打ちっ放しのコンクリート壁に
ひっそりと身を寄せる

壁に走るひびはハイウェイ
ところどころ露出した
砂利 ....
あの現場の写真を見た
瓦礫はすべて撤去され
金網や柵に囲まれたそこは
グラウンド・ゼロと呼ばれていた

そして現在 私が住む街の駅前に
デパートを取り壊した後
再開発計画が頓挫して
 ....
 遠目には黒い紐に見えた。近寄ってみると蛇の子供
だった。体長は二十センチくらい。JR新幹線駅の東
口を出てすぐの、駅前広場のフロアタイルの上に横た
わっている。尻尾の後ろの、コンクリートの ....
この街でいちばん美味いという
来々軒のラーメンを食べていたら
いつまですすっても麺が途切れない

適当なところで喰い千切ると
あなたはひどい人だ
という声がした
たぶんメンマが言った ....
今夜はブルーベリー酒で、一杯
甘ったるいお酒が好きです
そうして甘ったるいことばを吐く

大した意味などないけれども
わたしは甘ったるさを舌で転がしては
その中に辛さを味わおうとする

 ....
一面の草むらから、湧きあがる青い空。
向き合うわたしの窓は、青い空をもたない。
手にした一枚の写真を見て、
水を得た魚のように泳いだ海は、
黄ばんだ家族の笑 ....
気付けばなんにもない季節でした
冬の次は春であると教えられていたが
ごらんよ、
ここにはなにもない
雪景色と花の息吹の隙間
ぽかりとあいた時間
ごらんよ、
名前なんてないのさ

吹く ....
かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている

朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
明日の夜 君はきっと 僕に似た女の子とキスをする
月の光りに照らされて 綺麗な影が伸びるだろう

 僕が嘘をついて 君が嘘をついて
 ふたりがうまくいくのなら
 良いんじゃないか

 ....
シオリちゃんは わたしを見つけるといつも
はじめまして、と言う
わたしも はじめまして、と言う

たくさんいっしょに遊んでも
次の日には わたしのことを覚えていない
でもシオリち ....
私たちは互いを必要としながら
それぞれの場所で夕陽を眺め
明日の湿度を欲しがり飲み込む振りをする

あなたと私は
埋もれてしまったいつかの夏に
栞を置いたままかもしれない
そ ....
お散歩 スキップ 桃源郷
クルミ オレンジ セカンドハウス

シュークリーム あいしてーる
つい ジュテーム

猫追いかけて 君と一緒にカフェ

食べようドーナツ ふたりでドー ....
にゃーん と言って


にゃ〜ん と答えて


それで ふたり

笑えてたら ステキ
兄ちゃんのヘタクソなギターを思い出す
12月、寒い夜

妹は彼氏が出来たとはしゃいでた

東京には空もないし、星も見えないぞ
父ちゃんは乱暴に俺の頭をはたき
戻ってくるなと言った ....
いつもとは違う道を帰った日の彼女
もう歩けなくなって
駐車場の水溜まりに降る雨の波紋を見ていた
つめたく完璧な丸を描いて
にびいろの波紋は静かな口調で責めるから聞いてしまう
そうだね幾つ ....
みじんと鳴って落ちる月
高い梢にキタキツネ
朝露の
濡れる重さに耐えていた

非体験の罪状は
朝日の中でも暴かれて
憎々しげに現れる
認否を迫る百済の観音
内蔵する
輪廻 ....
[バリケードのこっち側]


その前日
あたしは工場で残業した
まんまるいちんち段ボールの箱と格闘して
それでもまだ働けとベルが鳴った

自転車をこいで家に帰ると
戦いは明日だと言う ....
そらの珊瑚さんの自由詩おすすめリスト(7428)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
潮騒- 壮佑自由詩31*09-4-5
- 壮佑自由詩19*09-3-20
グラウンド・ゼロ- 壮佑自由詩14*09-3-14
- 壮佑自由詩9*09-3-3
写真- 壮佑自由詩16*09-2-19
酔う- かんな自由詩21+*08-10-19
青いひかり_______- 前田ふむ ...自由詩28*08-6-19
名前をください- アルビノ自由詩108-4-3
日付を打たない手紙- 藤丘 香 ...自由詩63+*07-9-1
月夜- 北大路京 ...自由詩33*07-7-21
シオリちゃん- 藤丘 香 ...自由詩58+*07-6-22
私たちの欠落(夏の日の)- 藤丘 香 ...自由詩45*07-5-23
猫拳- 北大路京 ...自由詩11*07-3-17
にゃーん- 北大路京 ...自由詩12*07-3-7
東京ラーメン- 大西 チ ...自由詩1706-12-2
つばくろ- ピクルス自由詩9*06-11-16
A_River_Runs_Through_It- あおば自由詩4*05-1-9
小詩集「マルメロジャムをもう一瓶」- 佐々宝砂自由詩18*03-12-3

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