誰も気付かない
 雑草に埋もれながら
 濁った太陽を浴び
 くたびれた大地に根を張り

 凛と
 揺れる花びら
 意地っ張りな道の端
 譲れない生き様

 誰も振り向 ....
 しみったれたあんたの背中
 パンと叩いて
 さよならしてあげる
 なんてらしくもない小気味良さで
 バイバイ

 ヘッドライト後にして
 なんとか見上げた空の横っちょ
 さっきか ....
  日常の扉から ちょっと寄り道して
 
  いらっしゃいませ


  荷物をお預かりしましょうか

  溜息をお預かりしましょうか

  洗い晒しのジーンズを着るように
   
 ....
海が青いからといって
誰もが海のように青いわけではない

空には雲があるからと言って
雲がすべて白いわけではない

火山が爆発したからといって
溶岩はいつまでも赤いわけではない

花 ....
悲しみが生まれた頃は
見えないものなのです

それは
徐々に姿を現すのです

時間が経つにつれ
小さくなることはありません

同等の質量を維持したまま
心の真ん中に居座り続けます
 ....
  失望を蹴散らし
  土煙をあげ
  何度でも駆け抜けろ

  轟かせ、蹄の音
  打ち鳴らせ、その道
  燃え立たせ、灯し火

  巻き起こせ、{ルビ疾風=はやて}
  なびかせ ....
 可憐な花の狂い咲き
 醜いですか?
 愛しいでしょう

 あの恋慕の試練から
 身を守る術を
 無垢な胸は、知る由もなく

 狂った瞳は
 もう彼の人しか映さず
 狂った唇は
 ....
青き百合を水に葬る手のひらのかたちのように流れゆく指


横隔膜の失いたる平衡感覚で剣のうへももはや荒野


牛乳を一気飲みする冷たさにすべての蝶の真白く映えり


目を閉じて遠き木 ....
あなたが遠くに
住んでいるから

ではなくて

あなたの心が
深い霧に包まれていて

そこに続く道を
見失ってしまったから
夜になると
魚は目を閉じて
消えていく泡の行く末を思う
消えていく
自らの姿に思いを馳せ
静かに
目を閉じている

夜になると
魚は目を閉じて
自らの見ることのなかった風景を見 ....
自分しか愛せないその人は
満足そうに笑いながら
いつも眉間に皺があった
固く閉ざした
プライドの扉の中の
鋭利な孤独で
冷え切った掌で
きっとワタシは
壊されていたかもしれない
 ....
静かな雨が
かさついた街を
音も無く濡らしていて
それを見つめる
かさついた瞳も濡れていって

静かな雨の
音の無い雨音を
傘の花が
走り去る車輪が
拾って行って

それが ....
あなたのフォークギターの音色が、
いまならわかる。
父よ。

あなたの米の飯の硬さが、
いまならわかる。
母よ。

はじまったばかりの夜空に、
大きな星ふたつ。
ぼくたちの出会いを事故と名づければたちまちエアーバッグが邪魔で


消えかかる蛍光灯の真似をするきみの瞬きずっと見ていた


きみのその背中の刺青の蝶を捕らえるために彫りし蜘蛛の巣

 ....
 それをさせてくれるのは友人でも恋人でもなく

 きみが生まれてから
 したことのない努力をし
 したことのない我慢を覚え
 優しさについて 事あるごと考え
 煩わしい毎日をどうにか越えて ....
  国語は嫌いでした。
  算数は嫌いでした。
  さりとて体育は苦手でした。
  モテナイ君でした。
  9人兄弟の末っ子で、中卒でした。

  情けなくてある日つい白状してしまいました ....
すべてが終わると
その町にも銃を担いだ人たちがやってきた
彼らはこの国の言葉や
この国の言葉ではない言葉で話すものだから
町の人々はますます無口になった

少年は喧騒と沈黙でごったがえ ....
満天の星の下で
優雅に飛び交う蛍たち

手のひらに降りてきた光
そっと抱きしめる

静と動!
遠と近!
悠久と一瞬!

異質の小さな光たちは
それでも絶妙のコラボレーションで
 ....
{引用=かみなりさまの おとおりだい
そこのけ そこのけ おいらがとおる
くすぼった 心 雨なんか降らせないで

そら
ななめ 一直線に駆け巡って
そら
隅っこから 満面 真っ黒

 ....
ええ レモンの花は咲きません
ええ こがねの柑子も実りはしないのです

くらい森に目立つのは
変にほうけたタケニグサ
それからキノコ
ススキの穂

でもあのはるかかなた森の奥
湖があ ....
降り立った夏の停車場せみたちの鳴き声拍手喝采のごと


実家へと歩く田園風景のさびしきひとりと描かれる夜


秘密基地としての廃屋いまはもう月光だけの棲み家となりて


失った記憶と ....
踏み込んだところが山の入り口でお眠りここがゆめの入り口


僕はまだ死んでいないとあなたから雲の手紙がひろがる深空


この花の名前をあなたに聞いたはず昨日の夢の廃屋の庭


生きて ....
今日も俺は核家族のために働く
核家族を食わさなけらばならない
路頭に迷わせてはならない
俺はいとも簡単にスマイルを作り出し
その唇の端には
いつも核家族がぶら下がってる
連休は月並 ....
俺が眠れないと

お前は一緒に

月を見ていてくれた

なにも話さなかった


俺は

子どものころは

なんの不自由もなかった

お前もそうだと言っていた


大 ....
ぼくたちを結ぶ機会を握ってる獣は未だ箱舟の中


辿り着く場所はどこだかわからないゴタゴタしてる神様の庭


迷い込む羊の群れのただなかできみとよく似たガラスを探す


抱きしめるガ ....
思いきり笑ったきみの口のなかで光る銀歯が見える三月


にらまれる動物園の蛇の目に何かを思い出しているきみ


ふたりして手を伸ばしても青空の青の部分に届かない春


赤と青、歩行者 ....
{引用=
群集に埋没してしまいそうな

あらゆる完全なものの中で
自分の価値を見失ってしまいそうな

ツクリモノの世界で
ツクリモノの自分が
ツクリモノのコンセプトで
ツクリモノの生 ....
声色を変えてもわかるきみのこと遺伝子レベルで記憶してるから


色々と迷いましたよだけどこれこれにしますよこれはシャケ弁


開花してしまった空をもう一度つぼみに戻す さらば空想


 ....
心臓の近くでセミの声がしている
冷蔵庫を開けると
大きめのロブスターが、ヤー、ヤー、と
おもちゃの銃を振り回しているのが見える
いつだって無邪気な者には罪が無い

野菜室からよく冷えた ....
春分の朝のひかりが桃色に染め上げてゆく雲を見ている


結んだ髪に椿を挿して出掛けましょじんこうてきなダムを見ましょう


最短で森の迷路を抜ける道あなたが選ぶ毒の木いちご


ばた ....
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