学生のころ帰省の旅費を稼ぐため、廃材の釘抜きのアルバイトをしたことがある。
真夏の炎天下で一日中、バールやペンチを使って材木の釘を抜く。ただそれだけの単調な作業だった。

毎日、早稲田から荒川行 ....
通称 スイカ畑 という林檎畑がある
父が子供じぶん スイカを作っていた畑で
祖父母が買い求めた時は 杉林だった
杉の木を一本 一本 切り倒して畑にして
すぐに収入に結びつく スイカを作っていた ....
力を信じる人
仲間を信じる人
明日を信じる人

僕達は
大きな葉っぱの上に
偶然落ちてきた
震える水玉

金を信じる人
言葉を信じる人
目に見えないものを信じる人

風が ....
自動世界の歪みに落ち窪んで漏電
浮遊する未浄化のたましいたちが天井に残す曲線は
首吊り縄の正確な模写のようだ
水面の波紋のようないのちの明滅
電気仕掛けとおなじ ....
ことと
置いた所から

緑の深い村の
ひび割れた
土瀝青が広がる
夏のまひるは
黒く歪んで

両の手におさめ
土の道を
寂しくあるく
芒の夕闇
底溜まりに見て
目を細くした ....
いま
鏡に なにか映った
鏡に 誰か映ったよね

部屋には誰もいない
僕以外は誰もいない
 
なんだろう なにか
なんだろう 誰かがいる



いま
鏡に なにか映っ ....
{引用=

おともなく
とりがおちている
水色の
ふちの欠けたバケツに
吸殻を捨てる
おわった花火が
ひたされている

夏は、ここで
行き止まりだった






 ....
借りたてのアパートの
白い壁の
ざらざらした
感触に
うつろな視線を投げかけている
手のひら

からはじまる
小さいメソッド

何時間も壁ばかり見つめています
することがないので ....
最近入店した笑顔の素敵な男のひと
洗い方は丁寧なんだけど
細長い指先からほのかにただようタバコのにおい

最初は気のせいかと思ったんだけど
どうやらそうでもないようで
せっかくのシャンプー ....
極め付きは米山くんの死だった 。
例によって蛇口から滴り落ちる水が八分音符を刻んでいる 。

片隅の椅子に座ったまま
ひっそりと蝋燭を灯したような薄暗い部屋のなかで
女はむき出しの ....
*エンドレス
染みは消えずに
増してゆくだけ
(塵のように
言葉も積もるだけ
)わがままだと思う
けど(( いいなぁ
動物
(動物は安楽死できるんだよなぁ
 ....
魚たちは
丘に打ち上げられ
濁った空気を吸っている
けものも
けだものも
身を潜めて眠っている
鳥たちはどこか遠く
姿を見せない

灯りのない街を
明るい部屋で夢想する
シ ....
彼や彼らが死んで
しばらく経ってから
君は埋葬する
そして理解する
人は死んでも星になんかならない
人は死んだら死体になる
そして記憶になり
いずれ忘れ去られる
埋葬される者はまだ幸運 ....
{引用=晴れやかな正午に
土砂降りの深夜に
ショーウィンドウ越しにわたしの海辺に寄って
砂浜で輝く貝殻を拾う
追い越して先回りする足取り
空瓶がひとつずつ埋まっていくたびに
はばたきの向こ ....
こんにちは。詩のレビューをやっている者です。

これまでにいくつかレビューを書いてきました。それを見た人が「こんな
のでいいならおれも書けるぜ」と思い、にわかにレビューが盛り上がる!
というよ ....
雲ひとつなかった

青い空に

裸の木々の先端たちが

根のようにのびていた


空を吸って根を地球にのばしてゆく

地球という孤島に、空という孤独に、


雲ひとつなかっ ....
どこまでも続こうとする坂道
喘ぎながら

繰り返される独り言のような呪文
聞きながら

やみくもにしがみついたあなたの背中
眠ったふりしながら

安いおしろいに混じった汗の匂い
嗅 ....
 それが本気かどうかはともかくとして、だ。強者になれるのならなりたいね。俺が言う強者とは、圧倒的強者であって、多少強いくらいじゃ一般人と大差ないもの。まぁ、俺は自分を脆弱脆弱と言うが、それは俺が属する .... また会えるからさびしくなる

花粉のせいで涙めになる

振りむいて手をあげる

はなれてゆく

みえなくなる

歩きだすしかなくなる

花粉のせいで涙めになる

また会える ....
髪を切った。たくさん。
ばかに明るく、たくさんの鏡に囲まれた美容院。やわらかくなった毛先と、骨ばった手にほぐされる頭皮。わたしは犬のように従順になって、なされるがままでいた。耳元をとおりすぎる小気味 ....
乾いた大地に
夏の厳しい日差し
しおれてしまった花に
水をひとしずく下さい

*

空っぽになった部屋で
なくした希望を探す
仕方がないと言いながら
耳障りなため息を吐く

* ....
まもなく幸せになれるでしょう

と言われても
不安感の先立つ今日この頃だから
それって、ほんとかなと首をひねってしまう

フィギュアスケートとかのスポーツ番組みてると
まもなくまもなくっ ....
ギザギザの
気温の折れ線グラフの
端がほつれて
光の縦糸が
眠たそうな家並に
垂れ下がる

カチカチに
凝り固まった表情筋の
端がほつれて
微笑の横糸が
路地裏の野良猫を
追い ....
うかれているしかなかったのだ

さびしかった

信じられないくらいの

さびしい状況にいたのだった

いちかばちかのような気持ちだった

だから

うかれているしかなかったのだ ....
いとしさの痛みあつめて穴を掘る

はれわたる白い世界と細い背と

うしろ手の情と熱とを持て余し
{引用=
夕暮れの戸口を悪魔が叩いたら
手の甲を扉の隙間から差し出して
蒼褪めた唇にくちづけを乞いたい
それは夜風に晒され芯から冷え切った
明日のいとしい人であるかもしれないから

ラン ....
横はいりなんかしてないのに
ちゃんと並べと咎められたことがある

トラウマになってしまったのか
また文句言われてしまうのではとオドオドしてみたり

私って気が小さいのかな

それからは ....
出かけようとして出かけられなかった朝に
ひとりの女性の顛末を知る

喩えようのない過去の行状
足跡の是非はともかくとして
不治の病に長らく臥していたとのこと

病棟の小窓に映す時代の移ろ ....
 
 
道路を丸めて食べる
どうしたら草の音みたいに
生きることができるのだろう
 
曲った色鉛筆
間違えないように覚えた言葉
値札の無い指の軌跡
並べることばかり
いつの間にか上 ....
北東の隅にある茶色いシミは
無鉄砲で幼いエネルギーが
やるせなくせり上げた僕の山脈

山肌に滲んだ汗と涙は
入り組んだ等高線に弄ばれながら
諦めに良く似た水色の帯となり
 ....
桐ヶ谷忍さんのおすすめリスト(605)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
釘を抜く- yo-yo自由詩17*11-7-4
さら_に- 砂木自由詩12*11-7-3
よろめく水玉- nonya自由詩12*11-7-2
邪魔にならないところに放っておいてくれ- ホロウ・ ...自由詩5*11-6-28
茶碗- 塩崎みあ ...自由詩11*11-6-19
Someone_In_The_Mirror- 北大路京 ...自由詩15*11-6-18
うたたね- mugi自由詩20*11-5-20
パーソナルスペース- 塩崎みあ ...自由詩13*11-5-20
かおるひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*11-5-9
ひとり生きてゆく(ということ- アラガイ ...自由詩6*11-4-24
安楽詩- アラガイ ...自由詩3*11-4-14
しなやかに朝を迎えたい- いとう自由詩2311-3-14
Doors_close_soon_after_the_mel ...- カワグチ ...自由詩1911-3-13
シンクロニティ- 高梁サト ...自由詩1211-3-7
【批評祭参加作品】レビューを書かない7つの理由- 露崎散文(批評 ...18*11-3-6
地球という孤島、空という孤独- 吉岡ペペ ...自由詩1211-3-5
柔らかな化石- nonya自由詩15*11-3-5
【批評祭参加作品】泣いて啼いて哭いて、弱虫(チンピラ)をやめ ...- 虹村 凌散文(批評 ...4*11-3-5
改札口- 吉岡ペペ ...自由詩411-3-4
過去のこと- はるな散文(批評 ...211-3-3
悲しみ- 未有花自由詩23*11-3-3
まもなくのひと- 恋月 ぴ ...自由詩20*11-2-28
ほつれる- nonya自由詩22+*11-2-27
さびしかった- 吉岡ペペ ...自由詩1611-2-27
穴を掘る- はるな川柳311-2-24
やわらかなくちづけ- 高梁サト ...自由詩4*11-2-24
並ぶひと- 恋月 ぴ ...自由詩22*11-2-21
顛末のひと- 恋月 ぴ ...自由詩22+*11-2-7
手渡し- たもつ自由詩1711-2-6
ボンヌ図法としての僕- nonya自由詩16+*11-2-5

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