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人の気配のある
白い給水塔
鉄塔の向こうの
黄昏に刺さった
古い縫い針を
抜いてくれたひと
さっきから
重くて仕方がない
いっそのこと
ひと思いに
地面に落ちたら
どんなに楽か
濃いピンクの花びらは
重いのだ
皆から
「まあキレイ」
なんていわれても
ちっとも
嬉しく ....
水のない
冬のプールの
コンクリートの
水色の底に
紅葉が吹き溜る
夏の間
空気のようにあった水は
そこにはない
見知らぬ三毛猫が
かさかさ
足音を残しながら
横切って行った
ただ 波の音が
聴きたくて
退(アセ)た記憶の
駅を降りた
秋の海辺の
遠くに見える人影
波音と潮風に
案山子のように
吹かれている
わたしの
束の間の領土
小綺麗に整頓された
博物館というのは
謎めいた怪しさがなくて
つまらない
里山のジオラマが
自然を嘘臭く見せる

小さい頃見た
博物館の陳列は
モノのそっけなさが
却って
世界を ....
古い元美容室の
丸い鏡に
そとのビルが霞んでいる
部屋の角には
埃っぽい暗がり
苦いひとの記憶

「なるべく水分を沢山摂って下さい」
と書かれた貼り紙が
なぜか
人の声のような気配 ....
かすかに聞こえる
闇の向こうの
川の音

降り始めた
雨の中を
渡る 向こう側に

もっと聞こえるはずだ
 その音

霧雨の遠くに
滲む地平と
遠退く雨の

絹のような層 ....
山人さんのフクスケさんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
黄昏- フクスケ自由詩312-4-12
椿- フクスケ自由詩212-4-11
プールサイドの冬- フクスケ自由詩210-11-21
秋の海- フクスケ自由詩310-11-2
科学博物館- フクスケ自由詩3+10-10-15
- フクスケ自由詩210-10-14
その音- フクスケ自由詩210-10-7

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