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腐敗したものの中から立ち上がる春が臭う
ねじれながらクロトンの葉がまだらに燃え
枝の根元に寄生した洋ランも
咲くのを待ちわびるように根を伸ばし続ける
雨が降ればミミズがあわあわと這い
家 ....
私はしらないあさがお
墓石のうえでつるをまく
私はしらないうろこぐも
かぜにふかれてきえる
私はしらない鶏鳥
飛ぶことを忘れたまま
私はしらない子馬
ヒズメを地につきたて
私はしらない ....
けだるくなって
ぬぎすてたズボン
やーやー言って
砂と砂らが、ほころんだ
あなたは
珈琲をたしなむようにわたしを抱いた
あの夜も
その夜も
そしてこの夜は
夢のなか
....
あそこのT字路に行きあたると
追突注意の看板があるんで慎重に横切ってください
と
交通整備しているお兄さんに早口で言われます
もしかして
牛
もしかして
太ったおばさん
もしかして ....
十字路を右にでた大道り
美しく立ち並ぶ鉄筋のあいだ
次々に子供たちが落下していく
十段箱の腹をした女が快活に歩いていく
いろんな地区の、いろんな宗派の大股の大佐が
給油所やカフェ ....
バカでなまけモノで
虫歯だらけでだらしなくて
おまけに足臭くて
口臭くてげっぷばかりで
なのにあいつは
人一倍、許される
誰にでも許される
こっちはめいっぱい
働いて、規則正しく寝て起 ....