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風がないので動けないのか
止まったままの風車が
申し訳なさそうに立っている
手のひらをめいいっぱい広げて
わずかな空気をとらえたら
小さな風が生まれた
見えない風が水田の上を走り
....
波打ち際で
寄せ返す白線を
追いかけたり逃げたり
入るつもりもなかったのに
いつの間にか裸足になって冷たくて
まくったズボンが不意の波にずぶ濡れて
そういう夏を何度も繰り返していた
....
幸せを夢見て眠れたころは
ぬくっとした肌にふれるすべてが
ただやさしく感じられた
何だかくすぐったくて
なかなか眠れなかった
わくわくするとか
どきどきするとか
言葉にするとうすっぺらい ....
きれいな空があるって知っていても
それをいつも忘れている気がする
空が街に沈んで街が空に昇り
そうやって今日が終わろうとするとき
おだやかに眠るための記憶が
きりりとした感 ....
自由を弄ぶように
放たれた色
その花びらは
背景を飲み込んでしまうほど
鮮やかにひろがっている
重たい首をしならせながら
それでも
うつむかないように
あなたは
その滑らかな ....
あなたの瞳にうつるものが
どんなにあなたを悲しくしているか
どれほど考えてもわかりません
あなたの背中がいったいなにを
どれだけ背負ってそんなにも
淋しく見えるのかわかりません
け ....
少しだけ悲しいお話をしたあとに
あなたは
少しだけきれいになったようでした
まるでいいことばかりじゃない
そんな嘆きを語っていたわけではなくて
これから先のことをからめて
あなたは
....