あなたを暴力から守りたいのだ
ぼくの暴力から守りたい
決めつけたり懐疑したり
そんな暴力から守りたい
ぼくの美しい心を守りたいのだ
まだ暗い朝の空気は
つめたく ....
窓の外 子を探す声 雪女
一羽の鳩が飛んでいた
わたしの乗る列車を追いかけるように
無機質な四角い窓枠のなか
黒いコートの肩越しに
羽ばたき続ける
白い鳩の
翼
※
線路を渡る架線を巧みに避けて ....
蛍光色
に
近い色合いの、液体
を飲む。
島と海
国
錠剤。
食べ過ぎたおれ
は死ぬ
こと
を
せん妄し、
雑巾
を絞る。
壁を拭く。
硝子障子
を
なでる。 ....
冬神の喰らい忘れた緑かな
弦も否も震えも知らず冬を抱く
半面を冬に刺されて化生かな
抗いて落とされてこそ冬ありき
諌めても壊 ....
水をお飲みなさい
と
彼女は言った
黄昏の重い扉の手前に立って
指先をしっかり伸ばして
振り返りながら
水をお飲みなさい
と 彼女は言った
この町は
たっぷりの水が流れていく町だ ....
うるわしき小間物店から
訪れし店
品ありて面白し
皿・造花・カバン
今日は雪ちらつき
妻ととも品を選ぶ
火曜日、本を読みたし
詩ができてゆく
昼下がり
枯れ木に残る葉
....
そういうことだったんだ
と
気付くことがある
ものごとは複雑に絡み合っていて
原因があって結果がある
そしてその結果が今度は原因となって
新たな出来事を誘発する
「無間地獄」 ....
Get up,Boy.
Get up,Boy.
Girls are playing.
Get up,please,
The sun is shining.
Get up,Boy. ....
大阪市のあたらしい市長がニコニコ笑っているテレビ、独裁者が死んだ、知らない言葉、知らない人々。ずっともう昔に、キリストは死んだらしい、日本の政治は永田町でなにやら絡まっています、名刺交換、ミサイル ....
師走に
外に出でてはたらきた妻椅子により居眠る姿たくましきかな
晶子女のうた口ずさむおみなごのこいの数々わきいずるかも
冬の日の師走は暮れし今日の日を詩と歌を朗ずる聞きて閉ず
ビジネス書にでもあったんか
相手の話に傾聴しろ、3対7で話を聞け、だとか
でもおまえらつまんねえんだよ
相手の話を聞いていいのは
オモロイ話を持ってる奴だけなんだよ
....
好きになると声が洩れる
息は短く
鼓動は長く
針金みたいに精神が細くなる
きゅっとつまむ
皮膚の表面が
誰かの顔になる
ためらいがちに時計を覗く
新しい映画に出逢いたくなる
甘い ....
きみのペースに生きている
ゆるまったり急いたりして
かたちを自在に変えながら
音楽を奏でるいきもの
春の空をゆびで容易くひろげて
降りてきたきみなのでしょう
川辺の花に鼻をよせ
草にむし ....
山道を行く
水流れ青き木立の杉林曇り空には静けさがある
オレンジの紅葉咲きけり西教寺気恥ずかしげに四人で歩む
敷物を広げて座り妻語るハンミョウという道しるべ虫
山道はなだらか ....
今日がこれで終わると思うとき
一日笑顔であったかどうかを
数えてしまう
そんなこと本当はしてはいけないはずなのに
自分が笑顔かどうかはあまり重要でなくて
君が笑顔 ....
冷静沈着というよりは枯木死灰だ
天衣無縫というよりは無知蒙昧だ
多面的というよりは気まぐれだ
ひたむきというよりは妄執だ
奇抜というよりは悪ノリだ
繊 ....
彼女のご両親に、
挨拶に行った。
なんかのイベントのとき、
雨が降ることが、そう言えば多いので、
ぼくは雨男なのかもしれいないと、
傘を持って、
部屋を出るときに思った。
5000円 ....
木枯らしが吹き
去って行った男たちを
つらつらと思う
あったかい口づけ
厚い大きな手
柔らかな髪
広い背中
甘い匂い
熱くなる
ほめ言葉
リフレインする 声
声 ....
おおらかだ
笑い声って おおらかだ
笑い声に出会えた日は 幸せだ
高台にある 小学校に
ソプラノの歌 響いて
ひざしが からっぽになる
水は だしっぱなし
生けすの 魚がはねた
....
どこかで誰かが泣いていた
悲しくて
それとも恋しくて
※
悲しさに理由なんていらないけど
流した涙はしょっぱくて
それでいて仄かな甘さなんて感じてしまう
なぜって
....
おはなし?
おはなしをしろってか?
テレビはいいのか、テレビは。
んー、おはなしか
そうか。
おはなししろなんてこども、さいきんみたことねえからな。
いやむかし、おはなしってのを
きいた ....
ひとを愛せなくなったと
あなたは嘆き
はなから愛なんてなかったのにと
わたしは呟いた
※
大切なのは感動なのかな
与えて
与えられて
生まれたての感動はぷるんと ....
ほむらのほなみはかぜそよぎ
さむさのにおいをひがてらし
ほむらのほなみはかりとられ
まちわびはじまるあきまつり
ちょうじゃのたたくおおだいこ
みんなたわらはいっ ....
育てる
花を育てる
愛しい我が子を抱くように
育てる
花を育てる
我が子の明日を夢見るように
※
よく見かけるひと
花電車の通う線路脇で季節の花を育てるひと ....
25時30分
ねむれないんだ
僕のこころが
うるさくて
君に会いたいって
いつまでも
泣いてるんだ
あきらめてみる
たとえばわたしでいることをあきらめてみる
すると亡くなった母のこととか
ひとりぼっちの寂しさとか
なんだかふぅっと身軽になれて
お線香のくゆりは相変わらず苦手 ....
そこがすべてを決める
場所でもない
少しぐらい
いい感じだからと言って
どこにでも通用するとは
限らない
大概は
勘違いに他ならないのだが
誉めそやされると
そんな気にも ....
アルコール漬けの脳髄が
ひとつ
秋の夕空に浮かんでいる
秋風に
どうしてか白き花咲く蕎麦の花食料になる花は素朴だ
萩の花庭に散りいてゆうこくの秋風が吹き妻と帰宅す
ローマ書を書き写しつつ楽しみて次は更級日記写さむ
未来には何が待つか ....
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