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冷ややかなおんなのにじむ爪先を波に浸して海を身ごもる
世界一星の近くで息をする {ルビ宇宙=そら}に寄りそい晴れわたる肺
なごり雪、春を待てずに十八で溶けたあなたのように儚い
{引用=
こうくんのおもちゃになりたい。むくむくでぜんまい式だよ ( 笑って、こうくん。)
こうくんのおもちゃだから泣かないの。なんにもいらない、声も出さない。
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なめらかな夜の重みがのしかかり孵化した蛇と砕かれた月
青侘びた外葉の白菜持ち重るサナギの中で誰の子眠る
ストーブの火見つめ猫がもの思う人は卓にて白菜を剥ぐ
遠浅の海を渡って描きこんだ水平線のかなしい夕日
{引用=
愛なんてコンビニでも買えるって どれが愛だかわからんのやけど。
さみしくて漂流したくなったさかい、貯金おろしてロフトに行くわ。
星空をさんきゅっぱで買ってきて ....
アリスからきみに差し出すトランプは52枚のハートのエース
たい鳴てっンーボ とすら揺子り振 のな計時 もとれそ?体死 君い白
ひかり差す春の階段かけあがる 紋白蝶のゆらぎをまねて
冷たさと温もりの色が混ざる道 日なたばかりを選んで歩く
やわらかな風と陽射しの午後の二時 黙った君に少し近付く
雨の前 ぬるい匂いを吸い込んで 家路を急ぐ 青い夕方
....
春雨に濡れるこうもり傘を閉じ君をついばむしなやかな夜
かわいてる ぼくをそっと 湿らせて 水を吸い込み 吐き出すは、きみ
血に濡れた 人差し指を 筆に変え 夕陽を浴びて 樹をなぞる姉
銀の雨、初めて君を知ってから37℃微熱のくちびる
悲しみをすえ、そうじきよ。ぞうさんの長いおはなも彼に届かぬ
{引用=
*あいうえおにあこがれている
あってみたい。まだ見たことない朝焼けに ぴったりの名前、つけられる人と。
いまだけを生きているから。いまだけを生きていたいと思って ....
tongueという怪物の棲む洞穴にまず招待の愛の共食い
歯の裏を口蓋打ちつ舌踊る孤独吐くだに異国語になる
恋人は菓子パンに似て買う前と装裂き食らう刹那が美味し
{引用=
夢をみた 睫毛の先にころがる雨を、桃色キリンがぺろりと舐めてた
ぼくきっと、みんなに愛してほしいです。だから眠るの。 青いパンダ
いつだって誰かを睨んでいなけれ ....
クレパスのさくら色だけ短くて買いたしにいく春の自転車
{ルビ鬱人=うつびと}の 命の水を くみ上げて {ルビ六花=ゆき}を咲かせる 水銀の空
二月二六日
聖書読む手を休めては湯を沸かし妻が求めしクッキーを食ぶ
静かなる部屋に座りて書を開き真理を学ぶ如月の昼
み言葉はすがすがしくて今日はただ妻と神と聖書考う
息子帰って ....
やわらかな光をたばね菜をゆらす瞳に春を住まわせた人
傲慢で ひとりよがりな 心臓に ナインインチの 釘をぶち込め
屋上でバニーガールは恋に落ち月のベールをまとう十二時
病室の君も宇宙を駆けめぐる秒速30キロのランナー
白き花 グラジオラスに 魅せられて ひろがる心 おさなごのよに
猫の背のまるみにそって春の陽が君をくすぐる、うたたね日和
雨の日は虹の七色探索す。ポスト、au、ロフトにハンズ。
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