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最近ずっと夕焼けを見てない
柔らかな雨が頭に響いて痛い
稲光を何だか遠くの星の出来事のように聞いていた

知識の詰まった紙の束は
三枚の銀貨と交換された

片手におさまる一個の世 ....
一人称は怖ろしい
野イチゴの時期が終わりを迎える
サツキの花が申し訳なさそうにしぼんで
紫陽花が幼児のような色をして準備している
時計の咳が聞こえる
ウグイスが鳴いている、練習不足のとき
 ....

救うという傲慢さで
正面から溶けてしまいそうな
邪魔くさい解釈を弄くって
弄んで、分解してくっつけて
ひっぱってひん曲げて
心臓の一番近くにぶら下がるブローチにしてやる
こっそりと火 ....
下り坂は
南を向いていて
西に緩やかなカーブを描く
早朝
陽の当たる坂道を
桜並木のある坂道を
幼い彼は箱を抱えて歩いていた
簡単な恋をしていた
簡単な悩みもあった
け ....
 偏頭痛の片隅で
 子供が
 膝を抱えている

 いつかの子供

 立ち上がってもらわないと
 そこは
 一番痛みがひどい

 僕は手を伸ばす

 知ら ....

今日母さんが入院する
手術するそうだ
首の春夏が神経に当たって
手が動かなくなってしまったから
腰の秋冬を削って切り取って持ってきて
首の春夏と入れ替えるのだそうだ


弟は今 ....
スキップを置き忘れている
忘れえない蛹の心
乾く前に毟り取った羽
むせた猫にも
ピーナッツの殻まで
最近どう
とか、切り崩して
魔性の種を植え付けてくれ
ノート端の汽車に乗っ ....
バナナの河が
するする、流れていくから
滑って転んで
黒い斑点も良く見ると茶色っぽくて
一匹一匹
願うことが積もっていく
そういえば
今年は会えたかなぁ、などと
空を眺めてみ ....
蚊のせいで眠れない

あなたは言った

眠れなかったのは
その蚊


それを知らせるために起こされた


ンーーーー

豚が口からけむりを吐いて
やっと眠りが ....
さみしいさみしいと
地球儀が、まわる

えい!

止める。

大津波が世界中を襲ったけれど
僕は
地球儀にすんでいない

もう
さみしくない。

ビデオテープの町には
あの頃のままの
恋人がいて
老人は
画面に張り付き
色の雨粒を見ている



空と地面に一本の線が伸びる
その端っこを
紙コップにつなげて
い ....

保冷車の黒猫に手を触れて願うと
叶うというジンクス
内側が冷たければ冷たいほど良い恋愛のジンクス
少女は黒猫が横切ってもいいことがあると信じている
滑稽で悲しいジンクス



 ....

明後日の雲を見ながら
今日、雨が降らなければいいね、と
僕らは、手をつないでいたりして
傘を探そうともせずに
願ってばかりいたから
僕ら、から、ら、が逃げ出して
僕は、雨が降るこ ....
望月 ゆきさんのクローバーさんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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