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まもなく
トンネルを通過します
と車掌が告げると
列車はわたしの耳を
通過していくのだった

長い車両は
途切れることなく
睡眠の世界を通過していく
暗闇の中
回転する ....
 
白い書物の中で
あなたとはじめて会った
数千年の時を経て
変わらない声と声が
光に影を差して立ってる
向き合いながら
照れくさそうな文字になって

たとえば
あなたが好きですは ....
 
自転車を漕いでる
全速力で
ふみきりまで
息子を荷台にのせて
遠くから汽笛の音が聞こえる
蒸気機関車だ!

夢をみていた
眠りにつくまで
SLを夢みる
少年だったはずなのに
 ....
 
景色を
琥珀色に染めながら
涙のように零れてしまう
煙が風に揺れてる

力いっぱい泣く
汽笛はいつも
理由も知らずに
旅立ってしまった僕らのように
涙をこらえてる

繋がり ....
鏡のしくみで
生きている

笑うと
鏡も笑ってる

光の世界で
くしゃみした
永遠の
瞬きのように
長さが
ちょうどいいので
いつもその道を歩いた

長さは長さ以上に
距離ではなく時間だったから
帰る家もなつかしい

廊下の床がゆるんで音が鳴るのは
散歩と人の長さが
同じ距離に ....
新しいものが
古いものを
見おろしてる

とても高いビルだ
天井のすぐ裏に
空がある

人の高さでうがいする
海の底で死に絶える
名前を持たない
魚のように

今朝はまた
 ....
おばえたての
春の言葉で
風が僕に話しかける

まだ少し
電話越しの声で

からだの輪郭が
白くフェードアウトしている
uminekoさんの小川 葉さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
無回転姑- 小川 葉自由詩3*10-6-28
白い書物の中で- 小川 葉自由詩508-11-9
臨時列車- 小川 葉自由詩1008-10-6
蒸気機関車- 小川 葉自由詩4*08-10-4
鏡のしくみ- 小川 葉自由詩308-5-8
むずかしい散歩道- 小川 葉自由詩1108-5-1
水面- 小川 葉自由詩508-3-29
フェードアウト- 小川 葉自由詩108-3-11

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