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とおり雨」途切れた言葉のすきまからとおり抜けてく夏の体温
いままでも眠る夜だけ好きでした、きれいな呼吸だけ好きでした。
遜色のないヒトデみて切り花の手を取るように色をうしなう
ざんね ....
サイダーの中に視線が沈んでゆく 君の孤独は底をしらない
にせものの蛍の光に笑ってた ほんとうに笑えているかな
「なぐさめて。」そう言って甘い雨を降らせるこの街はまだやさしい
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この街はひとつの詩篇しずやかに置手紙のような息を吐くひと
光さす野をひたすらにゆくがいい、君、セルリアンブルーの尾びれ
湯豆腐を崩さぬようにくずしつつ星の底までゆきたいと言う
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ピラミッドみたいな形の倒立を 目を皿にして隈なくみてる
血まみれの夕焼けぜんぶ呑み込んで(みない、いわない、きかない、しらない)
帰ろうとしている影が剥がされて/いつまでも帰ろうとしている ....
受話器を先に置けなかった 三年前
今では先に切りたくて焦燥
ツーツーツー ただの電子信号が
あなたの鼓動に思えていました
手を繋ぎ 温度を感じてふと訪ねる
ねえねこ ....
後悔を/森の奥へと歴史学のような眼差しで引いていく人
スコップを置き去りにした砂場から カイワレの芽が伸びてきました。
透ける陽のメトロノームを記録して/耳鳴りの止まぬ夜を綴じ込む//
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冷蔵庫ゆっくり冷えていくものが光のような気がしてならない
やっと今一人で立てた足元にいろんなものが這いのぼってくる
ゴミ置き場月光に散る貝殻が泣いてるまぶたに見えなくもない ....
雨後の庭朝日に青葉色さえて妻は明るく出勤しゆけり
遠くから近くから様々な楽しき音今朝の坂本陽ざしに映ゆる
後一年妻は最後の勤めなり読書をすると朗らかに言う
人形の折れた手首を持ったまま母の帰りを一人待ってた
説明しようとして絶命してしまった僕のレジュメが空へと
深夜、ヒツジが僕を数えている、可愛そうにまだ眠れないのだ
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制服の胸で何かを育ててる紺の靴下はいた娘ら
文庫本読んでる君の眼の中に寄せては返す海が見える日
昼下がりだらりと畳でねむってるわたしだんだん蛇になってく
そこだけが青 ....