すべてのおすすめ
空を目指していた筈の
こころの滴が山の頂きにぶつかり、
雨となって地上に降り注ぐ

雨は山肌を通して幾筋もの小さな流れとなり
あるものは地中で濾過され清烈な泉となって地上に現 ....
簾越しに夏の太陽

舗装されていない通りの先

木造の橋をトコトコ渡る

爺一人

手ぬぐいを首に巻き

麦わら帽

やぁと挙げた掌に

いくらか赤みを帯びた顔の皺

 ....
朝の微睡みの中
腹に行儀良く座っている黒猫
薄く開けた眼の先には
彼女の瞳がある
夢と現うつつを行き来するうち
そのまま抜け出した僕の意識は
彼女の瞳の中に落下する
川の流れは清冽
岩に激突した飛沫の中
一服の涼を見るが

飛翔する山鳥
容姿は狡猾で
空腹を満たそうと
水中の魚群を窺う

山猫もまた、
山鳥を捕獲しようと
首擡(もた)げ見上げ ....
ところで、彼の結婚式なのだが、
参列者は三,四人か
披露宴をどうするか
めでたい宴の陰に
猫の眼のような
光を帯びたクレパスが
ぱっくり口を開けている。

皆口々にお祝いを言い
いく ....
施設の中庭のベンチで
ゆっくり日向ぼっこする
老人達の独りが
突然立ち上がって何かを叫ぶ

こんな筈ではなかったと
こんな方向でなかったと
こんな場所に来るはずではなかった
こんな終わ ....
風が無い季節に
病葉(わくらば)が落ちる

眼に見えない時間が
自分の掌から零(こぼ)れ落ちて行く

突然訪れた季節に」
黄色の銀杏並木は
幹まで落葉で覆われ

道行く者の足を ....
昔々(むかしむか〜し)は無関心
徐々徐々にに親しくなって
今は友と呼べる奴

昔々いつも傍らに蹲(うずくま)り
たまには気になるときがあるが
それはいつでも憂鬱さとともに

昔々は青と ....
        5

成り成りして成り会わないところと
成り成りして成り余っているところを
刺しふさぐ

ため

類人猿は歩きながら
歩きながら
空腹を覚え
傍らの虫を食 ....


霧に包まれた類人猿の咆哮は
全ての言葉を包み込んだ
異様な振動を部屋の中に持ち込む
全ての言葉は何の目的で語られているのか

不明

類人猿は苛立 ....
三月の飛鳥山
王子駅から望むと
厳冬時とさほど変わらぬ
枝振りの樹々が
何の衣も纏わず
剥き出しではあるが
陽光に透けて
半月後の桜色の
淡い期待を靄のように
纏っている

穏や ....
ほれたはれたは うきよのつねで
ちょことかたれば すぐわする


ほれたはれたは うきよのことよ
わすれてさけでも のめりゃいいい


ほれたはれたは いつものことで
まくらかえれば ....
隠してあった断裂,亀裂
突然、あんぐり口を開け
すまん、すまんと
向かってきます。

僕は またか とがっかり、ウンザリ
それらの口を引っ張って
縫い合わせようと
努力します。

 ....
ふと君と出会ったので
なにを思ったのか
結婚する気になってしまい
程なくして言葉に出してしまい

ふと言葉に出してしまったため
なにを思ったのか
結婚することが現実的に思え
程なくして ....
影響

少しだけの賞賛が
少しだけの満足が
少しだけの尊敬が
少しだけの裕福が

それが人生の全てだ

と気づくのに人生の大半を費やしてしまった。

少しばかりの賞賛と
少しば ....
俺の腐った幹の上に
枝葉が伸びて花が咲く

俺の腐った幹の下に
根っこが伸びて瘤になる。

俺の腐った幹の中
殻に包まれた自分がいて
自分の匂いに吐き気を催し

俺の腐った幹の中
 ....
早朝
タイヤチェーンの着脱場を通過
車は
白河から羽鳥湖高原へ疾走する。

すれ違う車両はなく
道路上には数羽のカラスが
カラスはよく肥え
このあたりのもの生りの良さを示す。

態 ....
夕暮れの通りで
僕は見る。
長い影を引き摺った
車椅子に乗った老人を

中折れ帽をかぶって
ブルゾンを着込んだ老人は
車椅子に毅然と座ったまま
一点を見つめている。

横顔には深く ....
朝の薄闇の中

漸く日の光にあたるはずだった蛙は
また暗く深い井戸に
引っ張られ

ボッチャン

暗い闇と死骸の腐敗した臭いの充満した井戸
這い上るはずの壁はあるのだが
真っ暗闇で ....
昌平橋から万世橋へ
川面に揺れる提灯の
その先にある柳橋
ゆらりゆらゆら秋の宵

ガード下には赤提灯
ほろ酔い加減のカラスが数羽
家に帰らず蜷局(くだ)を巻き
その先にある止まり木に
 ....


風ふーふーふーふー風ふーふーふーふー風来坊

風ふうふうふうふう風ふうふうふうふう風来坊

風ふーふーふー風ふーふーふー

風と一緒に駆け抜ける
道全体を駆け抜ける
風と一緒 ....
泉屋のクッキー缶の中に
アルバムに入れていない古い写真が一枚
モノクロームの色あせた写真には
小さな自分と親父が写っている。

庭の小さな葡萄棚の下
ふざけているのか本気なのか
親父に髪 ....
西天 龍さんの……とある蛙さんおすすめリスト(22)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
川が- ……とあ ...自由詩9*14-7-16
木の橋- ……とあ ...自由詩14*13-6-11
微睡(まどろ)み- ……とあ ...自由詩12*12-3-16
上流- ……とあ ...自由詩11*11-6-11
彼の結婚式- ……とあ ...自由詩911-5-26
ベンチで- ……とあ ...自由詩9*11-1-26
晩秋- ……とあ ...自由詩810-11-30
おつきあい- ……とあ ...自由詩9*10-6-27
月の嗤うさき5〜6- ……とあ ...自由詩6*10-5-5
月の嗤うさき1〜2- ……とあ ...自由詩9*10-4-27
花見直前- ……とあ ...自由詩10*10-3-25
今年最後の投稿じゃーほれたはれたーどどいつ- ……とあ ...伝統定型各 ...8*09-12-31
生活の孔(あな)2- ……とあ ...自由詩7*09-12-3
情歌(ジョーカー)ー中二階の六畳間ー- ……とあ ...自由詩26*09-10-25
精算書- ……とあ ...自由詩17*09-10-17
- ……とあ ...自由詩8*09-10-9
白河から- ……とあ ...自由詩14*09-10-7
車椅子- ……とあ ...自由詩15*09-10-1
井の中の蛙- ……とあ ...自由詩12*09-9-29
昌平坂から- ……とあ ...自由詩11*09-9-25
風来坊- ……とあ ...自由詩8*09-9-21
ハーフサイズカメラ- ……とあ ...自由詩12*09-9-20

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する