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{引用=
 しろやぎさんからおてがみついた
 くろやぎさんたらよまずにたべた


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不穏な空気に包まれた景色を見ていた
不安があちこちに転がっている
ひとつの石の周 ....
「鳥が空で迷子にならないのはなぜ?」

幼い目で僕を見上げた
その髪を撫でながら
「くだらない考え事をしないからだよ」
と呟いた
美しいものは特に
何も持たずに輝いている

昨日 ....
―炎天

いつからか父母の面影もなくなった顔の輪郭を撫で
枯れた景色を見すぎたせいかむず痒い目を二、三度こする

何処にも行きとうなくなった
もう何処にも行きとうないんです

陽射 ....
幸いによって用意された
名前は
あらかじめ課せられた
役割を帯びて

分厚い殻を割れば
どうどうと押し寄せてくる
風とも波とも知らない力に
離ればなれにされぬよう近付く
術さえ知 ....
{引用=
鴉の眼に宿る一閃の煌きが人々にとっては畏怖でしかなくとも
夕暮れに戻った巣の中では献身的な愛を育む母鳥であるかもしれない
そう言ったおまえのイメージからははっきりと
精巧な素描の上に ....
昼下がりにお弁当を持って出かけよう
どこまでも続く碧い草原で
スコップを持って半歩先を進む
木の下に何かが埋まっていると信じているのだろうか
あるいは花の下に

机の下で小さく丸まって眠っ ....
{引用=
彼方から
彼方へと還ってゆく、おと
されて
なにも知らされず
秘めやかに処理されてゆく 、あ、
、あ、あなた、 を、
忘れられず
浮かび上があがった泡に
触れるたび産まれる ....
誰かの誕生歌と
鎮魂歌が同時に流れる車中で
渇いた舌が沈黙で痺れる

硝子を打つ冷たい雨つぶ
凍結に感染したわたしの横顔は
雲の隙間から漏れる薄明かりの中で
蜻蛉のように
透明にしろく ....
{引用=
ゆるい傾斜を登ってゆく
幸せそうにショッピングバッグを抱えた女にとって
街が壊れたよるを窓から眺め
水晶の破片が星のようにきれいね、と
うたうことだって可能なのだろうか
その美し ....
{引用=晴れやかな正午に
土砂降りの深夜に
ショーウィンドウ越しにわたしの海辺に寄って
砂浜で輝く貝殻を拾う
追い越して先回りする足取り
空瓶がひとつずつ埋まっていくたびに
はばたきの向こ ....
{引用=
夕暮れの戸口を悪魔が叩いたら
手の甲を扉の隙間から差し出して
蒼褪めた唇にくちづけを乞いたい
それは夜風に晒され芯から冷え切った
明日のいとしい人であるかもしれないから

ラン ....
{引用=
白夜に立ち尽くす
冷えた足取りで
散り散りになった落ち葉を拾い集める
記憶を繋ぐ喪失の季節に
最愛を探す仕草だけが影を重ね
闇を深めてゆく
切り取れば
ひとつの証明にもなりそ ....
{引用=
何かを見出そうとして足掻く
行き着くところは一緒であるのに
違うと、対話する

主観と客観の狭間で彷徨う
科学の発展とともに神秘が勃興したように
絶えず揺れ惑う幻のような実在を ....
{引用=
氷解する
ゆるやかな原理
欲求にも
愛という仮説を立ててみる
、と
広がってゆく
小さな波紋
私は岸辺から素足を引いて
身をかたくする

むきだしの音
やさしい情動の ....
{引用=
どぶ川に棄てられた
あの子はどこへ行ったかな
しろい柔肌を
葉っぱみたいな深緑色にして
ぷかぷか浮いて流れていった

幼い兄妹がそれを指差して口づさむ

(ごらんごらんあれ ....
{引用=
小さな籠の中からこちらを見やる
黒々としたきよらかな眼
欲しがる言葉も持たぬ
やわい毛糸玉のような身体を掬い上げ
背筋に鼻先を埋めれば
滴り落ちる真水で濡れそぼる羽
愛すること ....
{引用=
両の手で耳を塞いで
押し寄せる血潮の波の
遥か遠くの音を聴いている

真夜中に

わたしはわたしの体が
排除しようとするものを
いつまできつく
抱き締めているのだろう
 ....
{引用=
誰かが朝を呼ぶたびに
ひっそりと佇む夜は震えて
おびえる仔猫の背骨は軋む
もう少しだけ闇を含んだ唇で
触れられていたら
いたんで汚れた指先も
傷付けることはなかっただろう

 ....
反復する細胞の分裂する音のほか
何も聞こえない無音の午後に瞼を閉じる
記憶の中で歳をとらないあなたの
豊齢線をなぞれば甦る
太陽と煙草の乾いた薫りが
こころの奥に降る雨に混じり溶けてゆく ....
眼差しの消失点へと駆けていく
中身のない信仰を抱えた踊る胸
爪先に跳ね上がる泥も
大地に繋ぎとめられない楔
芥にも成れない
逆さまに回る壊れた時計の
文字盤に白と黒の鉱石を並べて
連 ....
{引用=
図書館へ向かう碧いスロープの
脇に咲く珊瑚の合間を縫いながら
ゆらゆらとスカートの尾ひれを漂わせて
記憶の深海へと迷い込む

見たこともない
七色の藻屑を拾い集め
繰り返し剥 ....
冷たさを増す風に震える
荒野の先のやわらかな双丘をそのままに
奥に流れる寂寥とした音色に耳を澄ませている
何処かに隠した水瓶から溢れ出す
指先を濡らすほどのちいさな泉を大切に護って

 ....
朝焼けの美しさの前で途方に暮れるたび
あらかじめ失っているものの大きさを思い知る
それでもこのまま進んでいくことしかできない
アルゴリズムに沿ってできるだけ

ループから消えた数字は
 ....
断片的に腐敗してゆく
囚われの大地に
種子が落ちて芽吹き
雨が枯れようと
禍々しさのない陽に
両の手を広げ
受け入れる

知識を持たず
本性に従って生きるものたち

裸の木立 ....
{引用=
どれほどの心が割愛されているかを考えれば
事象としてのみ繋がることを選んでゆく日々
シーニュの隙間から零れ落ちてゆくものらの
見えない表情を想うほど愛を思い知ってゆく

あどけな ....
{引用=
雲烟の中
銀河座標に沿ってゆく
冷たい蠍火
真夏の巡礼
迷うこころが重なってできた
道の途中で
重力だけ頼りに立っている
同じ足で
アクセルを踏む
ラジオから流れる
地 ....

八月の
舌の上で溶けてゆく氷
その所作
吐息

の並びを
ひとつひとつ
読み上げる
その要約の中に
静かに埋もれてしまいたい
針を
正午に合わせた時計が
生物的な誤 ....
砂漠には
牡牛や熊や鳩や鷹
大昔
それらすべてはひとつであったと
髭づらの人が
乱れる息を
掌の中
上手にすり合わせ
微笑み
「悪疫は煮沸消毒いたしましょう」
「悪疫を煮沸消毒いた ....
{引用=
「おはよう、
せっせとお弁当箱に昼食を詰める
この世界のなんらかに収まりなさいと
話しかけてくる忙しげな背中
通学路に捨てられた雑誌には
艶びかりする牡牛の角と蛙の屍
女の子の ....
{引用=
旅群の影に腰掛けて
静かにナツメを噛んでいた
夜露に濡れた
クサカゲロウの卵塊が
孵化した途端
光に溶けて

満ち欠ける月が映る
瞳を抉り出し
過去を刻んだ証人として
 ....
……とある蛙さんの高梁サトルさんおすすめリスト(52)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冷静に違える、交換- 高梁サト ...自由詩911-9-25
やくそく- 高梁サト ...自由詩7*11-9-19
黙夏- 高梁サト ...自由詩711-8-11
かしおぺあ- 高梁サト ...自由詩911-7-1
冷血の行方- 高梁サト ...自由詩1011-5-31
Picnic- 高梁サト ...自由詩511-5-22
春の雨- 高梁サト ...自由詩511-4-24
春のせせらぎ- 高梁サト ...自由詩411-3-29
何も特別なことなど起こらなかったように- 高梁サト ...自由詩911-3-19
シンクロニティ- 高梁サト ...自由詩1211-3-7
やわらかなくちづけ- 高梁サト ...自由詩4*11-2-24
スローダンス- 高梁サト ...自由詩5*11-2-23
選ぶ、捨てる、- 高梁サト ...自由詩3*11-2-21
こい- 高梁サト ...自由詩9*11-2-9
魚の子- 高梁サト ...自由詩10*11-2-2
きよらかなめ- 高梁サト ...自由詩7*11-1-24
泡の花- 高梁サト ...自由詩8*11-1-23
旅路- 高梁サト ...自由詩7*11-1-20
縫い目- 高梁サト ...自由詩6*10-12-18
キセキ- 高梁サト ...自由詩5*10-12-12
人魚の名残- 高梁サト ...自由詩14*10-11-8
仔の眼- 高梁サト ...自由詩5*10-10-24
プログラム- 高梁サト ...自由詩7*10-10-20
第6セクト- 高梁サト ...自由詩9+*10-10-13
沈黙の表情- 高梁サト ...自由詩8*10-10-6
遠吠え- 高梁サト ...自由詩9*10-8-31
狭間に住まう声- 高梁サト ...自由詩12*10-8-15
鬼子- 高梁サト ...自由詩10*10-7-28
逆創世記- 高梁サト ...自由詩15*10-7-16
ルシア811- 高梁サト ...自由詩21*10-7-5

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