汝こぼすなかれ
汝、精を地にこぼすなかれ
一粒の麦・・落ちて、死なずんば、ずんば、んば、あばばばばば
❤
2024年、ウィルスの細胞変性効果に着目し ....
「代打屋」という競馬用語が使われなくなって久しいが、
先日引退した菊沢隆徳騎手は腕のいい代打屋だった、といっても過言ではないだろう。
重賞10勝のうち、テン乗りで4勝。特別戦になると枚挙に暇がない ....
夜な夜な通う男があった。
おのれとは不釣り合いな貴人であると思ったから、
娘は誰にも告げなかった。
幾山越えて川越えて
林を抜けて森抜けて
夜な夜な参る者の名を
ちちはは知らずたれ知ら ....
素股
性風俗業界用語で、精神性を重視した男女交際のあり方を指す。禅で言う公案、
フランス語でサルトル・エ・ボーヴォワール。
素敵
人類のみに特有の、抽象表現の1類。
小 ....
外来者に対して印象は良くしたい。臭いのは自分も不快だ。私も玄関や
トイレに消臭剤は置いている。見方によっては不気味なポプリの他は、
ドクター・コパの開運だの假屋崎先生のバラの香りだの、ブルーレット ....
現在の彼のことから話そう。
生れ故郷の牧場で細々ながら種牡馬生活を送っている彼の右前脚は、
サラブレッドのそれとは思えないほど腫れあがり曲がっている。そして少し短い。
現役生活最後のレースによる ....
コスモスがコスモス色に咲いてて
ススキがススキのように揺れてる
土曜の朝
私鉄沿線の住宅地を
ぼくとたあくんは歩く
めずらしく陽が射している
建物の影が舗道をおおって肌寒い
ぼく ....
リアルタイムで彼の走りを観てきた者にとっては、彼がこの列伝に登場するのは到底信じられない思いだろう。
だが彼も間違いなく、時代の影の中に消えた名馬であった。
G1の勲章を手にすることなく…
....
皆さんは競馬の予想をする時、血統をどのくらい参考にするだろうか。
菊花賞に、ニホンピロウイナー産駒のメガスターダムが有力馬として出走した時はそれなりに話題になったし、ひと昔前ならモガミ産駒の障害馬は ....
小説を書きたい
短編でもいい
そう思うのならば
書けばいい
誰が読まなくとも
書けばいい
小説を書きたい
短編でもいい
雨が降ったり
風が吹いたり
地上は忙しい
そして日常
だ ....
皐月賞馬だった4歳年長の叔父、ビンゴガルーを彷彿とさせる、小柄な馬体。
叔父のトレードマークでもあった、臙脂色に白のXマークの、勝負服とお揃いのカッコいいメンコ。
遠くからでも、ひと目で彼だとわか ....
かみさま ほとけさま
ジーザス・クライスト
わたしは明日退院します。
あなたがたの名前を呼ぶからといって、
今までの人生の懺悔や反省をするつもりは毛頭なく、
わたしが幸せになるこ ....
春の天皇賞。6歳になった彼の、最初で最後のG1レース。
出走にあたって、彼の所属厩舎だった田中清隆師の残した談話が今でも忘れられない。
調子がどうの、勝ち負けがどうの、という話ではなかった。
「 ....
街中でトイレを探していて
コンビニよりも近くに公園があって
なにやら小奇麗な
新築されたばかりらしい小さな建物
飛び込んで間に合ったまでは良かったが
出るときになって気がついた
「詩人 ....
その年の帝王賞は、やや小粒ではあったが、面白いメンバーが揃った。
1番人気の昨年の年度代表馬ダイコウガルダン、2番人気の売出し中だったハシルショウグンが、中央からの3頭を迎え撃つ図式だった。
当時 ....
フルゲートの中山グランドジャンプ。いいメンバーが揃った。
圧倒的な1番人気は、目下3連勝中、当るところ敵なしの勢いで臨む、昨年の中山大障害勝ち馬ギルデットエージ。
次いで、連覇を狙ってオーストラリ ....
彼女の母親の大ファンだった。
ひと昔前の古めかしいヨーロッパ血統、シンプルな馬名、華奢な馬体。
それでいて直線では鋭い末脚で突っ込んできては、強いライバルたちに引けを取らなかった。
善戦まではい ....
日本ダービー。有力馬の一角を担っていた彼に跨っていたのは、デビュー3年目にして弱冠20歳、ダービー初騎乗の中舘騎手だった。
返し馬を終えてスタート地点に戻ってきた中舘は、慌てて担当厩務員に告げる。
....
栗毛の大柄な馬体だった。
重戦車のような差し脚で、一完歩づつ確実に、最後の直線を追い込んでいった。
無骨で不器用な、愚直とも言える追い込みで、稀代のスターホース、ミスターシービーに戦いを挑んでいっ ....
どこにすっ飛んでいくか判らないような気っぷのいい逃げが、彼の持ち味だった。
気性難と慢性の蹄の疾患のため、デビューは2歳の冬だった。3歳クラシックには何とか間に合い、羽田盃14着、東京ダービーは落 ....
4角に差しかかるところだった。圧倒的な1番人気だった彼は、外から3番手まで捲り、先頭を窺うところまで上がってきた。彼がどのように勝ちを収めるのか、観客の興味はそこだけに集約されていた。
次の瞬間、 ....
父は大柄な馬だった。引退レースの有馬記念で、あっと驚く大穴を開けた時、530kgもあった。そしてその仔達も大柄な馬が多く、余計なことに、よく穴を開けるとこまで似ていた。
「血のロマン」てやつを信じ ....
「あんちゃん」とは競馬用語で見習い騎手のことで、一種の差別語である。例えば「あんちゃんみたいな競馬してんじゃねえ」というのは、腕が未熟であるという意味の罵声である。
だが、スタッフ、騎手仲間、そし ....
天性のジリ脚だったのか、それとも他馬の先頭に立つのが嫌いな「お馬好し」だったのか。
2歳の札幌でデビューして以来、3歳の秋まで、平地ではついに勝つことはできなかった。
しかし掲示板を外したのも ....
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