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薄暗き桃色の港は
始まりやらぬ無知なる港
今日に微笑む幼女のように
朝に涼しい風を聴く
天より柔らかく声が溢れ
テラスにて
紅茶の葉擦れに触覚する
なによりも繊細に
なによりもおとなし ....
先ほどから気づいているあの水の滴りは
何処から流れてくるのか
しんとした部屋にただ流れ続ける
Cの音の繰り返し
水道管のなかを流れる
貧相なうつくしい靴音
小川か、ドブか
裏町の溝か、
 ....
少女の細い細い手首の糸
静脈の清流を
机の上に広がった乾燥しかかった薬品が流れる
かえるさきは循環する心臓の末端
そこはフランスとスイスの国境で
ちょうどこの鐡道の糸の終着点
窓辺には革表 ....
爆発するそら
踊る松の木
発作に狂った白い雲
透徹する骨
閃光
あけっぴろげな死体
海の中へ鳥たちが沈んでゆく
沈黙の むらさきいろのうみ
いくつもの 幾万匹の 星
灰色のほし
生きている
ただ生きているだけのあわれなほし
機械のようにからからの眼
凛々しくも ペーソス ....
壮佑さんの白雨さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
桃色の港- 白雨自由詩214-1-10
Cの音- 白雨自由詩314-1-3
沈みゆく夕刻- 白雨自由詩413-12-24
8月のメモ- 白雨自由詩413-12-4
海岸の夕景- 白雨自由詩113-12-2

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