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聞き覚えのない鳥の声
ちゅーちち
ちっち
つつじ
ちゃいろく縮んでもなお派手な花
錆びた看板
(株)亀や
空に帯を広げる雲
ピアノの音
つまずきながら繰り返すフレーズ
醤油とみりん ....
隕石が落ちてきて
ぶっ壊れた部屋の中
結んで開いて
狐を作って
その影と遊んでる
たぶん百年くらい
床を這う蟻を潰してる
だって象に巣食おうとするから
狐と蟻と象と
それに帽子の中に ....
とうとう世界を飲み干しつくし
おもてと裏がひっくり返った
夜の真ん中渇きにあえいで
おのれの尾っぽに喰らいつく
うわばみ
うわばみ
おまえのからだは門になった
無限につながる扉になった
....
鏡に映る自分の顔
波になってる
とがったり、へこんだり
波は暴れ
岩壁にぶつかっては散りぢりに
無数の泡になる
泡つぶなのに貝の真似
可笑しい
悲しい
どうせなら
虎の真似
甲虫 ....
昼は
昼はおおきすぎて
おなかのなかで
昼じゃない時間になった
かいじゅうは君が開いたことない本の、151ページ11行目の中にいるよ
かいじゅうは雨の日、水受けになったプラスチック容器い ....
まよなかに
めがさめるのは
きのうがきょうを
こいしがるから
こまぎれに
くだけてきえるひとつのあかりが
さびしくて
こころぼそくていられないから
君が寂しさと呼ぶものが
僕には ....
白紙と名付けた毛布に包まり
むき出しの耳を塞ぐ
手のひらは押し当てたはしから粒子になり
あなたがたを取り込む、あなたがたは実際細かな粒子で
一粒一粒が性格を持っている
限りない煩悩
限りな ....
本を閉じると
立ちのぼっていくけむり
あちこちから湧き立ちはじめる
エクトプラズム
小屋の外をかけまわっていた子供が
ふいに立ち止まって
草原のはるか向こうを見た
ぼくはしおりを ....
つつましやかな紫煙の残り香が
わたくしの肩の辺りをただよって
広いような
また深いような
みずうみの表面へと消え
それはやがて
春と同化していくのでありました
からすの兄弟を乗せた小 ....
匂いがする
花の匂いだ
こいつの名前知ってる、と問いながら
ごくしなやかな動作で
友達のしめった手が
その花のくきを折った
(売店でなめたアイスクリーム)
錆びねじ曲がった標識に ....