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あの空の下からあの空の向こうまで、なだらかにせりあがりなだらかにくぼみながらどこまでも続くみどりの丘、その丘を白くつぶつぶと覆いつくすほどのあの羊たちがいっぺんに、シーツをめくりあげるように消えて ....
ぎゅんぎゅんと花々の茎と茎との間を抜けて、背丈よりも低い峠をいくつも越えて、あのランナーはわたし。ふくらはぎ縮み、ふともも縮み、南風燃え上がり、握りこぶしほどの小さな山をいくつも踏んで、森の奥のか ....
つまりわたしたち、息詰まる草花たちの体臭と湿度のなかで、街路樹があり、ゆるやかに放物線を描く遊歩道があり、手すりがあり、低く絡みつく視線のなかで、プランターがあり芝生がありベンチがあり、ガラスがありス ....
ほら、たべものがよかったのかなわたし、おいしくできてるからわたし、ほら、軟骨はつやつやとしてみずみずしく、膝はつやつやとして夜に半月映るし、ほら、かわいい服とかかわいい靴とか、化粧品たち、小物たち、 ....
きのう
飛び去った飛行機のように
蛾が震えていた
取り残された最後の技師が
数値を記録し続けている
薄汚れた窓硝子の向こう
森を走っていく少年あるいは少女の白い素足が
境界を飛び越えなが ....
T+74.130
Last radio signal from orbiter.{注*=Challenger timeline(UPI)}
切断された管をたなびかせながら
放物線を描いて ....
ダイ、ダイラ、
風吹きわたり
陽あたりのいい場所で
投げ捨てた果実の種が
ことごとく芽吹いて巨樹となり
大地を引き裂いて
ダイ、ダイラ、
風吹きわたり
陽あたりのいい場所で
はらわた ....