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三日月の
燃えるような匂いが、
遠吠えの森を
濡らし始めると
いまだ熟さぬ果実のような
青い吐息は呼応して
疾走の支度を始める
あてもなく
ただ、
匂いだけを頼りに
荒削り ....
三月の晴れ間に舞う
ひとひらの冬

勢いもなく
威厳もなく
すぐにもそれは解けて

どこから来たの、
どこへと行くの、
たずねるいとまも無く
お別れになる

けれど、
 ....
三月の外気は
まだまだ零下だから
白くけむるよ
吐息はみんな白くけむるよ
こちら北海道の三月は
まだまだ桜と無縁だからね
凍えるよ
着のみ着のまま出てきたのでは
凍えるよ
ひ ....
赤い目をしたうさぎの耳に
月から
はぐれた言葉が落ちる
ので、
偽らざるをえないだろう
いつか
偽らざるをえないだろう

うさぎは白くて赤い目をしている
茶色や黒やまだら模様 ....
あなた、悪党ですか

他人を
あざわらっては悔やみ
ないがしろにしては悔やみ、を
繰り返せるような
悪党ですか

あなた、悪党ですか

他人の
たいせつなものを
盗み、 ....
シロクマの
故郷と隔たるところに
わたしは住んで
いて

シロクマの故郷と
隔たらぬところに
わたしは住んで
いる



ニホンオオカミが
絶えてしまった時代に
わ ....
聞き耳を立てていた

厳しい言葉の迫る気配に
責める言葉の
迫る気配に

聞き耳を立てて
いた



口裏を合わせていた

障りのない言葉をえらび取り
結論付けない ....
やわらかなわたしは
凍結することが出来るから
やわらかくなど
ないのです

冷ややかなわたしは
あこがれを抱いていたりするから
あつく出来ているのです
本当は


空から ....
街は
かわらず
急ぎ足だから
にわか雨にも動じない

チラ、と
暗く続いた空をみて
街は
かわらず
明かりを灯しはじめる

明かりは
誰のためか、と
問われたならば
し ....
列が
乱れますから
前へならいなさい、
切なさよ

ラインをよく見て
その境を越えないように
たたずみなさい、
恋しさよ

下を
向きすぎてはなりません
他のものたちと ....
蜃気楼、と名のつく国へ
ゆびさきに力を込めて
風をおくる

かろやかに静止する
すべてのリズムは雨に流れて
つい、空を見上げる

何もないということが
両手のうえに確かにあっ ....
ありのままに
よごれていけたら、いいね

きっと、
すべてを
にくめぬように
そまればいい、
ただ

たとえ
だれかが
よごれ、とよんでも
それはかならず
うつくしい ....
壮佑さんの千波 一也さんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
狼たち- 千波 一 ...自由詩514-3-22
ひとひらの冬- 千波 一 ...自由詩814-3-17
白いけむり- 千波 一 ...自由詩714-3-12
つばさが消えない- 千波 一 ...自由詩414-3-9
あなた、悪党ですか- 千波 一 ...自由詩414-3-5
さまよう息吹- 千波 一 ...自由詩514-3-4
放射冷却- 千波 一 ...自由詩614-1-29
ギフト- 千波 一 ...自由詩314-1-12
傘のない街- 千波 一 ...自由詩3*12-5-13
整列- 千波 一 ...自由詩6*12-4-24
蜃気楼- 千波 一 ...自由詩3*12-4-18
ありのままに- 千波 一 ...自由詩21*09-2-6

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