花火、風。立ち尽くす夏 陸橋で麦わら帽子は抑えずにいた
日に焼けた腕に食い込む荷の持ち手 両てのひらで生かした金魚
向日葵が燃えない程度に咲いていて息継ぎの度ちらり ....
透明で桜色した小さな瓶に針をいっぱい詰めて、あげます
小指だけ繋いでいたから小指だけもがれる程度でさよならできた
君に言う言葉を見つけるためだけに笑点メンバー召集しよう
....
空を見上げたら
お月さまはもうなくて
見えないとかそういうんじゃなく
お月さまはもうなくて
誰の消しゴムのせいか知らないけど
とにかくもう、なくて
夜、何を見上げればいいか途方に暮れた ....
{引用=うずくまる。
からだの表面積をちいさくして
世の中の37%を遮断する。
わたしのまるいふくらみと
わたしのしろいふとももをくっつけて
ひとつ。にすると
やわらかな鼓動を感じ ....
涙が止まんなくて
カラカラの私
願いはサラサラ手のひらヒラヒラ
やだ、しょっぱい。
涙が止まんない
ねえ、こんなにしょっぱかったっけ?
そしてまた願った
いつ ....
世界に追いつけないでいるわたしに、椅子が用意され
明日という不在について語れと言う
目を閉じたときにだけ、
かつて捨ててきた言葉たちが 戻ってくる
根を、そこここに生やしては 日々 ....
そこは 小さな駅で
ときどき SLも通る駅で
小さな改札口の前には
電車を待つ人のために
素朴な木のベンチがあります
ベンチと改札口の間は
すぐ近くにある大きな駅に行く人の
通り道に ....
春を燃やせ
はにかんだ木漏れ日から
涼しげなふりをする風から
蒔き散らした種の芽吹きを妄想している
八重咲き紅梅一輪をちぎり
呆けたアスファルトで踏みにじれば
一滴の紅は血となり火 ....
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