休日だから
チュッパチャップスはくわえたまんま
外はきれかけのボールペンみたいな
ぷつぷつとぎれる雨がふる
エンジン炊きたてだったから
中はまだしばらくはだざむいね



いつのま ....
ビリジアン



青みがかった緑色
鮮やかなビリジアンの色見本に
忘れていた記憶を取り戻した


ビリジアンが青色だと思っていた


その主人公は耳が聞こえず
声も出せず
 ....
キレイごとが好きなのだから


避けて通るのは


錆び釘の赤い汁が淀む



ほら、そこ その・・・よ





それで

どこまで話したかし ....
 
写真は撮らない

目に焼きつける

時がしっとり思い出にかえてくれるから



 
 
青空にぷかぷか浮かぶ雲が 好き

頬をなでるおだやかな風が 好き

そんな好きを背に洗濯物を干すあなたが 大スキ!



 
色のない砂浜
連鎖する海鳴り

仰向けになったわたしは
ガラス瓶の秘密を抱えて
眠りにつく

冷たい風が頬をなでる
時間が止まって
いつしか感じることもなくしてしまった


色 ....
ヒョウ柄のブラジャーすれば少しだけ強い女になれちゃうのです

キャミソール細い肩紐に見せかけて女の紐はほんとは太い

ふわもこが恋しい季節になりましてしーんと冷えた足のゆびさき

てぶくろ ....
役者は
媚びてしまった

目の前の毒リンゴを
食べてしまった

役者が
安っぽい悦楽で
身体中を痺れさせている間に

観客は
優しい嘲笑を浮かべつつ
足音もたてずに去ってい ....
      あなたが浸る湯船にうかぶ
      ひとつのゆずになりたいと
      からだの芯まで温めて
      すこやかなれと
      やすらかなれと
       ....
大好きな人よりも本当は
お弁当の方が好き

はっきり言ってももちろん愛は消えないさ
僕の方のね

でもさ愛がはっきり確かめられるんだ
たとえ見栄え悪くてもね

おかずはいいさはっきり ....
狩猟民族としてのあるいは
遊牧騎馬民族の遠い遠い血が流れているのだろうか

トラッカーだけれどカーナビなんて要らない
iPadでGoogleMAPだけで探索し移動するのが得意になった

い ....
モモンデン
モがおおいから
ちがう
にせもの

たのしそうなえがおで
そんなに
それで
それが
ぜったいに
こっちには
むかないのに
みていたとすれば

禁止令
聖像とか ....
流れていく方向を見失って
濁り始めた水と空気

「仕方がない」のお題目の下で
済し崩しにされる許容限度

時間をかけて築き上げた壁を
やすやすとすり抜けて
目の前に現れる他人

 ....
水の音に、
さらわれてしまった、
まるで、体は、
どこにもないかのように、
流されて、
くだけた、

服にまとわりついた
みずの、おとだけが、
私をぬらして、
ずっとずぶ濡れだった ....
カート道に蛇がいた

もう十組は出たはずだから

十回は轢かれかけたはずだ

まだ空をよく知りもしない

星だけ見つめて知った気の

地球にはぼくがいた


昔のひとは

空について

知らないことが ....
ミスター・ホリディ!
左胸に風穴をあけて
そこから空の碧
突き抜けてる!
なんてチャアミング!


海沿いを奔るだけの
汽車に乗り込んで
あの変な容器に入った
お茶を呑もう ....
睫毛が燃える

目の前で煌々と

美しい光景だ

眼球の溶ける痛みと引き換えに

美しい光景だ
 
ひとを愛せなくなったと
あなたは嘆き

はなから愛なんてなかったのにと
わたしは呟いた




大切なのは感動なのかな

与えて
与えられて

生まれたての感動はぷるんと ....
きょう
きみがうまれたひに
たどりつきました
ふたりでいっしょに
そのいみをすこしかみしめたい

いきかたは
ひどくつたなくて
そのすえに
きみにであったような
きがした

 ....
夕暮れには不思議な魔力があって
どういうわけかふいに門が開かれて
僕の王国に淋しい旅人を連れて来るんだ

旅人はしばらくは荘厳な夕日に見惚れているが
我に返ると皆決まって故郷に帰りたがる
 ....
どれほど歳を重ねたにしても
夏の終りは感傷的で

どこかしらか和太鼓を叩く音が聞こえてくる

リズムを刻んでいるようであり
生の在り様を現そうとでもしているのか

小刻みに
あえて無 ....
 散らばった削り屑をかき集めて呻いた。ほのかな樹木の香りがした。あたしは一個の彫刻になっていた、ことばのかたちにからだを削り上げたのだ。記号の救命艇。戦艦は撃たれて沈み、ことばに乗らない彫刻未満がうよ .... 青黒い皮膚の下で
躍動する肩甲骨に
未熟なサーファーが乗り上げて
水飛沫を上げて砕け散る

白い泡立ちとなって
打ち寄せる指先は
永遠に砂浜を掴み損ねて
桜貝の汗を置き忘れていく
 ....
風と雨にまくしたてられ
ふらふらと歩く
傘なんて意味がなく
ずぶぬれで道をいく

けれど心は濡れまいよ
けれど心は濡れまいよ

根はしっかりと地を這っているはずだ
ゲリラ豪雨
突如として大量に降る雨を
奇襲を行う
ゲリラにたとえている

曇り空とともに雷鳴
合戦の予感に
鬼瓦は
武者震いに震える
汗をかき蝉をきいている

膝を日であつくさせ

汗のぶんだけ涼しい風がふく

爪をかむ

涙のように汗をぬぐう

いちねんまえだった

月にはひとつ星が寄り添っていた


 ....
夏休みを、なんとか、
2日取って、
土日とくっつけて、
4連休の、二泊三日で、
軽井沢へ行った。
彼女と行った。
新幹線で行ったの。
たった1時間でつくのさ。


なんだかわか ....
じりじりと焼く鯵の身の焦げ方にわたしの罪をひっそり重ねる

降り出して濡れゆくまちで動けずに 空があまりに重たくあるので

なにもかも違う ここではなにもかも違う あなたが過す場所とは違う ....
強がっているわけでもないけれど
そして君が厭なわけでもないけれど
君が帰ってこない今晩が妙にすがすがしくて
世の人は自分も含め生まれつきマゾヒストかと哲学しては

かつお節みたく体を削りたくなる日に見つめ、エゴン・シーレの。

いなくなれ、いなくなれよと繰り返し、午前三時の新聞ことり。

手首か ....
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