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忙しい日々のレールを脱線するように 
不意に訪れた長い休暇 
病室のベッドに横たわる僕は 
窓外に立つ 
独りの樹の葉群を躍らせる 
風、を視ていた。 

( きらきらと、協奏曲の奏でる ....
踊るように、街を歩くひとがいた。 
両手首に輪を嵌めた、杖をつきながら。 

僕の肩越しに密かな風をきり 
横切った、彼の背中はおそらく求めていない  
これっぽっちの、同情も。 

不 ....
僕の履いてる靴の踵は 
ぽっかり穴が、空いており 

電車待ちのベンチや 
仕事帰りのファミレスで 
片足脱いでは 
いつも小石を、地に落とす。 

給料日が来るたびに 
「今月こそ ....
元旦の夜のファミリレストランで 
僕が座るテーブルの、一つ向こうに 
少年時代の、友がいた。 

嫁さんと、子供ふたりと、母さんと 

父さんは、20年前の冬の朝 
突然に、心臓が停まっ ....
夕暮れの窓辺から 
あの煙突の上に昇り 
空へ吸いこまれる 
煙を見ていると 

昨日 
頭に来た誰かの一言や 
恥ずかしかった自分の姿が 

いずれ何処かへ消えゆくよ ....
あなたが地上から旅立って間も無い今 
こうして語るのは月並みだが 

友達でもないのに僕は言う 
マイケル、 
あなたが音楽の神様に選ばれた 
天使のように 
あふれる歓びを踊りながら歌 ....
白い壁に掛けられた 
金の額縁には 
名も知らぬ画家の描いた 
淡い水彩画の少女 

朝の光に透けながら 
すきま風に膨らむ
カーテンの窓辺に佇む
黒い瞳の少女 

日々多くの人と ....
初老の母ちゃんを乗せた 
旅客機は 
赤ちゃんを産んで間もない 
姉がいる富山を目指し 
羽田空港の滑走路から 
大空へ 
飛んでいった 

定年をとうに過ぎた親父は 
警備の泊まり ....
誰もいない静かな部屋で 
時折鏡を、覗いてみる。  

目はふたつ 
鼻はひとつに  
口ひとつ 

奇跡を行うこともなく 
些細な魔法もわからずに 

背伸びをするわけでなく 
 ....
くたびれた足を引きずって 
いつもの夜道を帰ってきたら 
祖母の部屋の窓はまっ暗で 
もう明かりの灯らぬことに 
今更ながら気がついた 

玄関のドアを開いて 
階段を上がり入った部屋の ....
ひとりになるということは 
土手の芝生に埋もれながら 
日に照らされて喜んでいる 
ひとつの石になることです 
皆が笑顔で集う 
不思議な海の中心で
貝のこころを開いて
歓びを分け合うのも自分 

ふいに人と話せなくなり 
深海の暗闇で 
貝のこころを固く閉じ 
独りきりになっているのも自分 
 ....
日曜日の広場で 
バザーをやっていた 

たくさんの子供等が 
小さい手に{ルビ紐=ひも}を握り 
宙に揺れる 
色とりどりの風船達 


  あっ 


立ち止まる若い母と  ....
あ。さんの服部 剛さんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海の音楽_- 服部 剛自由詩910-3-7
踊り歩くひと_- 服部 剛自由詩9*10-2-8
穴の空いた靴_- 服部 剛自由詩810-2-4
幸福の食卓_ー同級生との再会ー_- 服部 剛自由詩210-1-1
あたらしい太陽- 服部 剛自由詩6*09-7-23
アメリカの英雄に捧ぐ- 服部 剛自由詩309-7-1
窓辺の少女_- 服部 剛自由詩16*09-6-17
幸福の食卓_- 服部 剛自由詩1809-4-3
月夜の草_- 服部 剛自由詩909-3-27
遺影のまなざし_ー四十九日前夜ー_- 服部 剛自由詩2009-3-10
石のこころ_- 服部 剛自由詩408-12-29
貝をひらく_- 服部 剛自由詩608-11-2
空の何処かに_- 服部 剛自由詩508-10-27

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