すべてのおすすめ
あなたがいると、
世界は
星くずみたいになるから、
右や 左や
上や 下はなくなって
きらきらざくざく溢れゆく波になって
みんな 傷まみれで
ひかって、
転ぶみたいに流れて ....
つめたい身体をおしあてて
かたちを図ろうとしている
空白 不在 「想像上の」
まるで動く点みたいやな
ひとつの過去もゆるせない身体って
そうでないもの を積み上げて
それを見つ ....
脱ぎ捨てられた革靴にすんでるゆめみたいな気配
のどの奥がかゆくてくるしくて
頭にあなをあけて考えてることがみんなだらだらあっと流れていったら楽だなとか
2番線ホームのまん中くらいからみえる公 ....
うつる
ゆめみたいな空に
かわいたお皿
ながれおちる今日と今日と今日
耳たぶのかたさのパン
うそをついてやり過ごした
好きなくつ下をはいても
気持は汚れていて
みあげてもみさげ ....
ゆれながら
ふれると
濡れる
てのひらがあついことは
天使みたいに
すばらしい
朝がきて
夜がきて
また朝がきて
夜がきて
鳥がとんでいく
名前をよばれる
ふり ....
鉢植かってすぐ枯らす
屋台の金魚すくっては死なせるみたいなりぼん型につくられて売ってある帯の醜さ!
提灯の影のいちばんうすいとこめがけて投げたみずふうせん
いつまでもごむのにおいが掌にのこっ ....
あなたの
爪をきってやるの
忘れていた
過去がひとつづきだと
まるで信じがたい
新品の朝
お湯はいつもどおり
湧くけれども
忘れながら
愛すと決めたのに
髪は伸びる ....
ひとがたえず
まちを汚していく
一方で
わたしたちは
まだ
向き合ったまま
汚れたい指たちが
さわがしく黙りこくって
この朝焼けに
この夕暮に
なんでもいい
飛び込むだけ ....
青い少年が
指をもって
噴水をみている
歌おうとして
泣いたり
描こうとして
折れたり
飛ぼうとして 揺れたり しながら
わたしたちは
このまちの
記憶として
忘れら ....
心は曖いちいさな海で
寄せては返したがっている
愛してない
(あなたを愛していない)
それが白いブイのように
波間に泡立ちながら
にぶく 在る
めらめら壁が
燃えているというのに
くまたちは眠っている
5月も天辺間近
夕暮れも薄く伸びて
暑すぎる夕暮に草いきれ
もう
答えがでる
くまよ
燃えつきる壁よ
わたしは ....
ねむたいゆうやけに染まる耳たぶや
肌にしずんだ模様
しろい壁とかアイロン台
日々にしわをつける音楽たち
金曜日にもえるごみをまとめるのとおんなじように
ぜんぶ捨ててきたのだ
かわいいく ....
あかるいバスにのって
あかるいまちをゆく
肌にひっかかるような四月をぬけて
風がつよいので
往来の恋はみんな片付いてしまった
ゆるい靴紐
空があんまり白いとおもったら
端 ....
意味はきらきらふる星だし
正しさはもえる草原で
寝息は世界のかぜ薬
あなたの頬がやわらかいうちに
知ってほしいことがたくさんあるけれども
なにひとつ教えられることがない
だからいつ ....
春、また
海のない街で
想いで腫れた胸のうちはまだ
ことばにならない
ばらが枯れ あじさいが枯れ
百合が枯れ 菊の花が枯れ
それでもまた 蕾がふくらむ
風が行き 雨が落ち
....
ひとかたまりのきょうが
三和土でふるえている
ドアは開いてるというのに
もしかして、きのうも
ふきだまりみたいなこの部屋の
どこかに
きえかけながらいるのかな
きのうも、あし ....
祭壇のそばで 昏い
煙草を吸う
いまはみえているけれど
そのうちに見えなくなる色の境目を
わたしはどう処理するのだっけ
甘い輪郭を 日々の、
ひと匙ほどの希望で生きていくのを
それを ....
うつぶせの 街は夜
わたしはとけて
中指のつめだけが
床にのこった
そのうちに春が来て
夢がながれる
ここにいた爪は
むかし 女のかたちをした
生き物だったと
夜は来て
わたしたちは眠った
愛と またべつの愛とのへだたりや
手が届きそうな不幸
甘いざわめきと
ぺかぺかの看板
星の位置がちがう、
と起き出した
あなたの
頬が氷 ....
ひらひらの手が
宙をおよいでいる
なめらかにあつく膨れて
むすめよ あなたは
女という呪いのなかで
生きていくことを選んだ
わたしのことをどう考える?
日々洪水 窓の外で
右往左往する色たちを
ひとつも自分のものではないのに
愛していた
しらない街でも 深い森でもなく
自分の家の扉のまえで迷子になった
しっているはずの壁の色も言え ....
水色が
ながれてあおくなり
思い出を思い出していた
あなたのひたいを
光がとおり すぎて いく のを
窓があり 扉がある
世界には取っ手がついてなくて
うまくひらかない心の代わり ....
あげよう 甘い
の
を
鈍行は夜を
過去と
それ以外 に
わける
根のはえた
過去は
痺れ
いつか
わたしが
意味を捨てるまで
次の
駅
まで
(甘 ....
コンクリート をささえる
コンクリートたち 笑う
あたらしい髪型 の 誰彼
かまわず 好きになる すぐに
かんたんに
壁や布や空 や
バス、トラック、タクシーのぴかぴか
二世帯住 ....
妻のなかに庭が
雨の日にはできる
小さく 頑丈につくりこまれた庭
雨の日ぼくはノックする
コーヒーを飲むか
紅茶が良いか
もし望むなら 凍ったラムもあるし
無い 返事のなかに ....
朝はきて指にささくれ
やわらかい油を塗って雲は湯立ち
居残りの夜を掃き出して
開ける窓の軋む音
夏に 朝に 街じゅうの轍に
わかる 私は
くっきりと弱い
夏用の箪笥から肌を出し
水を通して着替えする
蝉のふる午後にまにあうように
記憶は苦しいばかりですのに
なつかしく
あおい葡萄を含んでは
愛しさをこらえているのです
雨のなか
であったくまとねこは
べたべたに濡れて抱擁をした
たばこを吸いますか?
とねこは言った
ええ、いいえ、わたしは。
とくまは言った
雨樋を水が
のろのろはしっていく ....
石楠花を右に折れ
道なりに進むと
大きな手で盛ったように花の咲く庭がある
かつて愛した日々が
遠くなるごとに輝きを増して
いまではもうかたちを捉えることもできない
それから ....
さて今日も花が咲き
往来はあざやかな灰色
卵を割る指に思いが絡まって
( )
シャツを洗い シーツを洗い くつ下を洗い
はがれ落ちる自意識をかき集めてくり返し洗い
....
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