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わたしたちは、ひかりに向かい歩いている
いつも
目にはみえない風のなかで
闇を求めながら
闇を求めているときでさえ
わたしたちは
ひかりのなかにいる
求めるというひかりに
....
透明な
軽薄と後悔の隅に
揺れ濡れるわたし
一秒先の未来にさえ
眠れぬ夜を過ごす
指先が
痛い
ひび割れた仮面が
散らばる部屋で
やさしさも
どこにもない ....
解放された自由などいらない
解放されない
繋がれた
なにかがほしい
雨が
一粒であって
降れる場所を知らないように
水面にとける
ささやかな波紋でありたい
わたしに
あなた ....
透明な糸が
のびていく
あてもなく
まっすぐと
洗い髪の先端が
とぎれる音と
あなたのためいきが
寄り添って
わたしを流れていく
たしかな明日を
手探る右手が
ふるえる
....
スライドする
月が笑う
夜の窓辺
憂鬱を孕んだ
胸が冷える鼻先
わたしはわたしの行方を
ポケットに押し込んだまま
吸い込まれる
終電の渦
たった1mgの錠剤で
繋ぎ ....
わたしは
あなたの海に棲む
あたたかないきもの
瞳をとじて
銀のあなたの環を
くぐり抜ける
わたしがみえるでしょう
わたしの
銀のわたしの環を
風にか ....
白い霧の海が
みつめている
囁くように
「この道を歩きなさい
だけど未来は保証しません」
誰かの
冷えたことばを
思い出す
眼下に広がる東京湾は
白 ....
月は
見えない音をたて
真昼の闇の滝を滑り堕ちていく
否
堕ちるのではない
昇るのだ
わたしを介してあなたへと
絶望に煌きながら
地の底の淵で
やがて幾人もの人間 ....